バイナンスがロシア人ユーザーのP2Pに制限
ロシアを対象とした最新のEU(欧州連合)による制裁に準拠し、大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)はロシアのアカウントに対する一部のP2P(ピアツーピア)取引サービスを制限し始めた事が分かった。
バイナンスによる今回の動きは、ウクライナでのエスカレートするロシアの軍事攻撃に対応し、EUによる最新の罰則が採用されたことに続くものとみられている。バイナンスは、ロシア国民と同国に住む人々、およびそこに拠点を置く企業は、米ドルまたはユーロを使用してP2P市場で取引を許可されていないとユーザーに伝えた。EUを拠点とするトレーダーは、ロシアルーブルでの取引も禁止されているとのこと。なお、アドレスチェックを完了し、10,000ユーロ(約140万円)未満の価値の仮想通貨を保持しているロシアにリンクされたユーザーアカウントは、他の利用可能な法定通貨を選択できるという。
ロシア国外の居住者はアクティブなまま
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、バイナンスは制裁を受けたロシア人のアカウントをブロックしたものの、すべてのロシア人ユーザーアカウントを一方的に凍結したわけではない。
バイナンスを含むほとんどの仮想通貨取引所は当初、ロシアのすべてのユーザーを全面的に禁止し、彼らのプラットフォームが西側の制裁を回避する方法として使用されるのを阻止するという要求を拒否。しかし最終的には、米国と欧州の規制当局が、主流の金融から逸脱することはロシアを孤立させようとする試みを弱体化させると述べたため、制裁に従わなければならない状況であった。
最近の制裁は、仮想通貨が制裁を回避するための扉の提供を欧米諸国の政治家が恐れているため、ロシアの個人や企業が仮想通貨を使用することを禁じている。その結果、バイナンスは、ロシア国民やロシア居住者が10,000ユーロ以上保有している場合、新たな預金や取引をブロック。影響を受けた顧客は、ポジションをクローズして資金を引き出すために90日間与えられた。それにもかかわらず、ロシア国外に居住するロシア国民のアカウントは、住所証明で確認され、合計金額が10,000ユーロのしきい値を下回っており、影響を受けず、アクティブなままである。
2022円10月初めにEU は、ロシアへのデジタル資産サービス提供に対する禁止措置を強化し、ロシア人に仮想通貨サービスを提供することを全面的に禁止している。つまり、ロシア人は禁止エリア内に住んでいない限り、EUの仮想通貨ウォレットに資産を保持することはできない。