ブルガリア法執行機関がロシアの制裁違反の疑いで仮想通貨貸し手Nexoの調査に着手

ブルガリア法執行機関が仮想通貨貸し手Nexoの調査に着手

ブルガリアの法執行機関は、マネーロンダリング(資金洗浄)と制裁違反の疑いで仮想通貨貸し手であるNexoを調査していることが複数の報道によって明らかになった。

ブルガリアの司法長官のスポークスマンであるシーカ・ミレバ(Siika Mileva)氏によると、Nexoに対する調査は、国家安全保障局、国家憲兵隊、ソフィア警察を含むさまざまな機関の300人にのぼる捜査官が関与する大規模な交差であると述べている。2023年1月12日(木曜日)、ブルガリアの法執行当局が仮想通貨貸し手Nexoの事務所を家宅捜索したとの報道があり、ブルガリア司法長官のミレバ報道官によると、同社は対ロシア制裁違反とマネーロンダリング犯罪で捜査を受けているとのこと。

米国の6つの証券規制当局による調査

今ニュースは、2022年9月末に、米国の6つの証券規制当局がNexoを調査し、同社の融資サービスに対して訴訟を起こしたという報告を受けたものである。

また、ニューヨーク州、レティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官もNexoを提訴しており、同司法長官からの提訴を受け、Nexoは米国市場から撤退すると宣言しており、ブルガリアのサイバー犯罪部門の責任者であるスヴェトリオ・ヴァシレフ(Svetlio Vasilev)氏は次のように述べている。

仮想通貨を送金したプラットフォームの顧客が、テロ活動の組織者と公式に宣言されました。誰が罪に問われるかはまだ決まっていません。15以上のアドレスが捜索され、新たな関係者が確定しています。


ロシアにもオフィスを構えるNexo

ロンドンに本社を置きながら、家宅捜索の行われたロシアにもオフィスを構えるNexoは、この話を受けてTwitterで声明を出し、直ちに不正行為を否定しており、Nexoの責任者は次のように語っている。

Nexoは、マネーロンダリング防止と顧客管理に関する非常に厳格な方針に関して決して妥協しないので、長年にわたり、多くのビジネスを断ってきました。しかし、私たちは常に、これが持続可能なビジネスを構築する方法であることを知っていました

実際、ブルガリアの主任検察官の報道官は、過去5年間におよそ940億ドル(約12兆円)がNexoを通じて流れたと詳述しており、大きな問題となっている。

一方で、Nexo幹部は、今回の捜査や家宅捜索は根拠がないと考えており、さらに関係当局や規制当局に常に協力していると強調。さらにロシアの事務所を捜索したことに加え、検察は、疑わしい取引が行われたとされる数カ月前に捜査を開始したと詳述しており、この取引は、欧米の対ロシア制裁を回避するためのものであったとされている。