Genesis Tradingが従業員30%を解雇へ
バリー・シルバート(Barry Silbert)氏が率いるDigital Currency Groupの仮想通貨融資部門であるGenesis Tradingは最近、債権者からの圧力の高まりと倒産の危機が迫る中、人員を30%削減したことが明らかになった。
Genesisはすでに従業員の20%を解雇しており、2022年にはCEO(最高経営責任者)を交代。約60のポジションが廃止されたと、匿名を条件に関係者が述べている。同社は現在、約145人の従業員を抱えており、今回の人員削減は、暫定CEOのデラル・イスラム(Derar Islim)氏が顧客に対して、Genesisは財務危機を解決するために、もっと時間が必要であるとの見解を明らかにした翌日に行われている。
Digital Currency Groupによる債務
Genesisは、2022年にアラメダ・リサーチ(Alameda Research)のようなトレーディング会社、および著名な仮想通貨ヘッジファンド3AC (Three Arrows Capital)に融資を提供した結果、大きな損失を被っている。
実際、同社は2022年の夏に260人の従業員のうち20%をレイオフしていたが、FTXの破産は、同社にとって事態を悪化させる大きな要因となり、FTXの兄弟会社であるトレーディング会社Alameda Researchに対し、少なくとも数億ドル規模の信用供与を行っていた。また、3ACのヘッジファンドにも多額の出資をしており、その額は24億ドル(約3,159億円)と報告されており、その影響の大きさが伺える数字となっている。
同社は、仮想通貨取引所FTXとその姉妹ヘッジファンドAlameda Researchの破綻後、すぐに破産専門家に従事しており、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ジェネシスの主要顧客だったアラメダの崩壊後すぐに、Genesisが10億ドル(約1,316億円)の緊急融資を求めたと報じている。しかし、シルバート氏は償還凍結の結果、非難を浴びることになり、同社顧客で仮想通貨取引所GeminiのCEOであるキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏は、シルバート氏が悪意ある時間稼ぎ戦術を行っていると非難。Genesisの流動性危機の解決策を要求したとのこと。
ウィンクルボス氏によると、Digital Currency GroupはGeminiの顧客と他のGenesisの債権者に16億7,500万ドル(約2,204億円)の債務があるとされ、早急の改善策が求められている。一方で、シルバート氏はツイッターで、Digital Currency GroupはGenesisから16億7500万ドルを借りたことはなく、すべてのローン残高に流動性があると反論している。