Binanceがアブダビ規制等所の許可を確保
アブダビは、大手仮想通貨取引所Binanceがプロの顧客に仮想通貨取引サービスを提供するために、規制当局の認可を許可したことが明らかになった。
同取引所は、ADGM(Abu Dhabi Global Market:アブダビ・グローバル・マーケット)において、FSRA(Financial Services Regulatory Authority:金融サービス規制庁)からFSP(Financial Services Permission:金融サービス許可)を取得したとのこと。なお、Binanceは、2022年4月にADGM規制当局から仮想資産のブローカー・ディーラーとして運営するためのIPA(原則承認)を取得している。
中東はBinanceにとって関心の高いエリア
2017年に設立されたBinanceは、現在、FTXが破産を申請したこともあり、世界最大の仮想通貨取引所となっており、世界の他の地域以外にも、中東は依然として同取引所にとって関心の高い地域となっている。
実際、2022年8月に同取引所はCBB(Central Bank of Bahrain=バーレーン中央銀行)から仮想通貨資産サービスプロバイダーライセンスを取得しており、これは、GCC(Gulf Cooperation Council:湾岸アラブ諸国協力会議)における仮想通貨プロバイダーとして、同取引所にとって初のライセンスであると声明では言及されている。その後、2022年9月、BinanceはVARA(Virtual Asset Regulatory Authority:ドバイの仮想資産規制庁)からMVP(Minimal Viable Product)ライセンスを取得。2022年10月には中東・北アフリカ(MENA)地域全体でユーザーの増加を報告し、2022年のこれまでのユーザー登録数は49%の上昇を記録しており、ADGMの会長であるアーメド・ジャシム・アル・ザービ(Ahmed Jasim Al Zaabi)氏は次のように語っている。
われわれは、Web3.0経済のためのソリューションを開発するために、ADGMにおけるBinanceの運営と研究開発を支援することを楽しみにしています。
トラブル続きのBinance
規制当局からのトラブルはBinanceにつきまとい続けており、2021年6月、FCA(Financial Conduct Authority:金融行動監視機構)はBinanceが事前の書面による承認なしに規制対象活動を実行することは許可されないと警告されている。
これに続き、日本金融庁も、同取引所は日本で事業を行うために登録されていないと注意を促した。また、ブルームバーグは2022年9月、米国のCFTC(Commodity Futures Trading Commission:商品先物取引委員会)はBinanceがインサイダー取引や相場操縦に関与したかどうかを調査していると報じるなどの情報も流れている。
FSRAはデジタル資産の規制と監督に対するアブダビのアプローチに関する指導原則を発表しており、これらの原則は、アンチマネーロンダリング(AML)とテロ資金調達対策(CFT)の規範における世界標準に準拠している。そのため、Binanceはこれらの原則に従った形で取引所を運営していくことになるとみられており、緊密な金融監視の中で、異なる管轄区域へのコンプライアンスも指摘している。