ドイツ財務大臣、独自の仮想通貨発行に前向きな姿勢を示す
世界各国が仮想通貨への意欲的な姿勢を見せはじめているなか、ドイツは仮想通貨の発行に意欲的な国のひとつになるかもしれない。
ドイツの財務大臣を務めるOlaf Scholz(オーラフ・ショルツ)氏は、「このような支払いシステム(Libra)は、金融センターのヨーロッパと世界の金融システムへの統合に役立つだろう」とコメントしていることが、地元紙WirtschaftsWocheの報道によって明らかになった。
「このような支払いシステム(Libra)は、金融センターのヨーロッパと世界の金融システムへの統合に役立つだろう。我々は中国、ロシア、米国または任意の民間プロバイダにフィールドを離れるべきではない。」
ショルツ財務大臣の仮想通貨に対する考え
ショルツ財務大臣の見解は、仮想通貨に対して前向きではあるが、一企業や団体が仮想通貨を発行することについては、反対的な姿勢を見せている。
先月17日、ショルツ財務大臣はフェイスブックが構想する仮想通貨Libra(リブラ)について、これらに類似する通貨の台頭を認めてはならない」と、否定的な考えを持っていることを明らかにしている。しかし、冒頭で発言したように仮想通貨については全面的に公的的な考えを持っていることに変わりはない。
その理由として、ドイツのメルケル内閣は、国家の通貨発行権限を守り、消費者を保護することを目的として、ステーブルコインなど代替通貨になる可能性のある通貨の発行を禁止する法案を可決している。すなわち、国が仮想通貨を発行することについては前向きであり、フェイスブックのような一企業らが仮想通貨を発行することを懸念しているようだ。
中国ではすでに、独自の仮想通貨を発行する準備が整っているようだ。今年8月、第3回となるChina Financial 40 Yichun Forum(CF40)にて、中国人民銀行(PBOC)の決済部門副長Mu Changchun氏が、「2014年から5年間続けられた中国の中央銀行が発行するデジタル通貨(DC/EP)の研究は、その努力が実を結んだ。現在、中央銀行のデジタル通貨は準備ができている」と発表。すでに準備が完了していることを明らかにしている。
今後、国・政府が先頭に立ち、仮想通貨・ステーブルコインを発行する事例が増加することが予想され、中国に続く独自の仮想通貨発行は、どの国になるか注目である。