Binance CEOがFTX買収を発表

BinanceがFTXを買収

仮想通貨大手のBinanceは、ライバル取引所である仮想通貨デリバティブ取引所であるFTXを買収することで合意に達したものの、一部条件を省き、合意条件は非公開となっている。

Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)がTwitter で、拘束力のないLOI(Letter of Intent=基本合意書)に署名し、FTX 仮想通貨取引所を完全に買収することを意図していると発表した。同CEOによると、FTXの関係者は、流動性が大幅に不足していたため、Binanceに連絡を取り、これをカバーするためにBinanceはFTX全体を取得(買収)するとのことで、同CEOは次のようにツイートしている。

日本語訳:
カバーすることがたくさんあり、時間がかかります。これは非常に動的な状況であり、リアルタイムで状況を評価しています。バイナンスは、いつでも取引を取り下げる裁量権を持っています。物事が進展するにつれて、FTTは今後数日間で非常に不安定になると予想しています。

サム・バンクマン‐フリード氏は今回の買収に喜びの声

世界最大の仮想通貨取引所であるBinanceが最初にFTXをサポートしたが、FTXが注目を集めるにつれて、両社のパートナーシップは崩壊し始めたと言える。

両取引所の幹部はしばらくの間お互いを批判してきたものの、今週、ジャオCEOは、Binanceが、2021年同社からの撤退の一環として受け取っていたFTX取引所のネイティブトークンであるFTT保有を売却することを明らかにし、サム・バンクマン‐フリード(Sam Bankman-Fried)CEOはTwitterで次のように述べている。

CZ(ジャオCEO)、Binance、そしてすべてのサポーターに*多大な*感謝を申し上げます。これは、業界全体に利益をもたらすユーザー中心の開発です。CZは、グローバルな仮想通貨エコシステムを構築し、より自由な経済世界を創造するという素晴らしい仕事をしてきましたし、これからも続けていきます。

なお、ジャオCEOによると、Binance はリアルタイムで状況を監視しており、Binanceの努力はユーザーの保護に向けられる。その裁量によっては取引の取り下げもできると述べている。

アラメダのバランスシート問題発生によって加速した買収と今後の問題点

11月2日(水曜日)に公開されたレポートで、バンクマン‐フリードCEOが率いるもう一つの会社、Alameda Research社の貸借対照表が、ロック解除されたFTTで36億ドル(約5,245億円)、FTT担保で26億ドル(約3,788億円)を保有していたことが明らかになった。

FTTはFTXのネイティブトークンであり、所有者に取引手数料の割引を提供する。同社の貸借対照表には、80億ドル(約1.1兆円)の負債も示されていた。この問題発覚により、FTT の価格が下落した場合、Alameda Researchに何が起こるかについての憶測が飛び交い、FTXとの密接な関係を考えると、支払い能力に対するリスクは、FTXとそのユーザーに直接的な脅威をもたらす可能性がある。さらにジャオCEOはバンクマン‐フリードCEOの横行する政治的ロビー活動について、Binance運営に有害であると見て、認めていないと考えているほか、Binanceが制裁対象のイラン企業の取引を処理したという報告の責任はFTXにあるという噂も浮上しているだけに、今後も注意が必要だ。

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