テスラ社によるビットコインへの投資が減少に直面
イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いる、米国の大手自動車メーカーであるTesla(テスラ)は、2022年第2四半期財務報告で、ビットコイン(Bitcoin/BTC)への投資額は4億4,000万ドル(約600億円)の減少に直面している事が分かった。
2022年度財務報告の第2四半期における同社のビットコインへの投資の価値は、まだ沈静化していない仮想通貨市場のマイナス傾向の中で、4億4,000万ドルの減少に直面。同社は、2021年第1四半期の財務報告記録に基づき、以前にBitcoinを15億ドル(約2,043億円)で購入。これは、キャッシュリザーブの一部を世界一の仮想通貨に変換する試みのステップとみられる。同社に加えて、現金準備金の一部をビットコインに変換した多くの公的企業には、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏率いるBlock Inc.社のほか、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏主導のMicroStrategy、仮想通貨取引所Coinbaseが含まれている。
仮想通貨市場における激しい打撃
ビットコインに賭けている多くの企業は、ここ数カ月で大きなプレッシャーにさらされており、ビットコイン価格は2022年6月19日に17,744.9ドル(約242万円)に急落。この急落は、2020年11月以来の大暴落となった。
2022年第2四半期の最終日、ビットコイン価格によってテスラ社の投資は約8億2,000万ドル(約1,117億円)に縮小。同社は2022年の第1四半期に12億6,000万ドル(約1,717億円)相当のビットコイン保有を記録たものの、市場における価値は約19億6,000万ドル(約2,670億円)であり、同社がビットコインの保有量を約4億4,000万ドル、または2021年に同社の年間総利益の7%に相当する減少を記録する可能性が高いことを意味する。
テスラ社は、当NEXTMONEYの2021年2月9日付け特集記事「テスラ社、15億ドル相当のビットコイン保有判明でBTC最高値更新=保有額はマイクロストラテジー社に次ぐ」で報じているように、2021年2月8日に初めて15億ドル相当のビットコインを購入したと発表。同社は、会社の現金の一部を代替予備資産に投資することで、さらに多様化し、収益を最大化できる。これらの代替予備資産には、デジタル資産、ゴールドバー、金取引所で取引される資金、および将来決定されるその他の資産が含まれる。
その後、2021年4月26日に発表された2021年第1四半期の財務報告で、テスラはビットコインの一部を2億7,200万ドル(約370億円)で売却し、保有額を13億1,100万ドル(約1,786億円)にしたと説明。同社は、2021年第2四半期財務報告で、所有するビットコインの価値は依然として13億1,100万ドルに相当すると報告しており、この期間に所有していたデジタル資産の売買はしていないことが分かっている。
2021年3月の四半期に入ると、同社は再びビットコインの保有を増減しなかったものの、価格の下落が反映されるため、所有ビットコインの価値が5,100万ドル(約69億円)下落したことを報告する必要があり、これによって彼らが所有するビットコインの価値の位置は12億6,000万ドル(約1,716億円)に相当する。
現在や将来所有するデジタル資産のコストは、価値の下落が発生した期間またはこれらの資産の全体的な市場価値が上昇したとしても、同社の収益性に悪影響を与える可能性がある。