元カナダ政府職員をランサムウエア
DOJ(United States Department of Justice=米国司法省)は3月10日(木曜日)、元カナダ政府職員セバスチャン・ヴァション・デジャルダン(Sebastian Vaschon-Desjardins)容疑者を、コンピューターと電信詐欺の罪で米国に身柄を引き渡され、2800万ドル(約32億円)以上の仮想通貨を押収し、身柄を拘束したと発表した。
デジャルダン容疑者は、コンピューター詐欺やワイヤー詐欺、保護されたコンピューターへの意図的な損害、保護されたコンピューターに、「NetWalker」として知られる洗練された形式のランサムウェアへの参加の疑いで、身柄を拘束したと発表。操作の過程で、仮想通貨で約28,000万ドルを押収したことを併せて発表した。
コロナ禍で混乱に陥れたNetWalkerランサムウェア
NetWalkerランサムウェアは、世界中の企業、地方自治体、病院、法執行機関、救急隊、学区、大学を標的にしており、特にコロナパンデミック禍においては、被害者を煽動するために医療セクターを標的にするなど、混乱に陥れてきた。
カナダ・ガティノー在住のベショーン・デスジャルディンス(Vachon-Desjardins)容疑者は、2020年4月から12月にかけて、身代金要求目的で共謀したとされている。また、起訴状は、米国は犯罪収益に起因する2,700万ドル以上の資金を没収するつもりであると主張している。さらに、デジャルダン容疑者の資金の差し押さえは、米国当局による違法な仮想通貨取引きの中で、2022年で2番目に大きな事件であったとのこと。なお、最大の事件は、NEXTMONEYの2022年2月9日付特集記事「米・規制当局がビットフィネックスのハッキングで盗まれたビットコイン48億ドルを押収」でも報じたように、2016年に仮想通貨取引所Bitfinexから盗まれ、マネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で2月8日に逮捕した事件とのこと。