違法マイニング業者と政府の戦い
無許可仮想通貨マイニング施設との戦いの一環として、カザフスタン政府は13の仮想通貨マイニング施設の取り組みを中止した事が新たに分かった。
カザフスタンのエネルギー省は、13の違法なマイニング施設の運営を発見し、停止させた。それらは集合的に200メガワット以上の電力容量を使用していたことから、今回の違法操業施設の摘発につながったとみられている。カザフスタンでは2022年初め、NEXTMONEYの特集記事「反政府反対運動が激化するカザフスタンでインターネット停電が発生」で報じたように、エネルギー価格の上昇に対する抗議が続いていた。続くエネルギー価格の上昇に反対する市民らによる抗議活動に対し、政府は同国最大都市アルマトイで催涙ガスと手りゅう弾を発射し、抗議活動鎮圧に武装して対応し、状況が悪化していた。
しかし政府も単に値上げをし続けるだけではなく、無許可の仮想通貨マイニング業者がエネルギーネットワークに悪影響を与える可能性があると非難し、取り締まりを宣言。当時、バグダット・ミューセン(Bagdat Musin)大臣は次のように述べている。
グレー領域の仮想通貨マイニング業者は、私たちの電力網に多くの害を及ぼしています。違法マイニングにかかるエネルギーコストは1ギガワットを超えると推定されています。
大統領は「白人」マイナーの不安を払拭
ミューセン大臣による違法マイニング創業の膨大な電力消費の指摘後、大臣率いるエネルギー省は13の違法仮想通貨マイニング施設の摘発を開始させている。
違法創業者らは、カラガンダ、トルキスタン、パブロダル、アクモラ、コスタナイなど広域に広がっており、国全体で摘発に乗り出している。さらに当局は、規則に従わないマイニング業者を特定し、電力網から切り離し続けることを明らかにした。一方、トカエフカザフスタン大統領は、規則に従って行動する「白人」マイナーは心配するべきではないとして、次のようにコメントしている。
政府は「白人」マイニング事業者に反対していませんが、このセクターで事業を行いたい人は、免許を取得し、適切な料金で電気を入手し、収入(を開示)と税金を支払い、グリーンプロジェクトに参加する必要があります。
カザフスタンは、米国の35.4%に続く世界で2番目に大きなビットコインマイニング国であり、世界のハッシュ率の18.1%を占めている。
コソボ政府は全ての仮想通貨マイニングを禁止
2022年の初めに、コソボ政府は、2022年1月6日付の当NEXTMONEY特集記事「コソボが欧州のエネルギー危機に直面して仮想通貨マイニングを禁止へ」でも報じたように、国内で操業するすべての仮想通貨マイニングへの取り組みを禁止し、厳寒期の電力消費を抑制させている。
禁止令を発令する際、コソボのエネルギー大臣は当時、次のように説明している。
これらの行動は、コソボ共和国の市民にさらなる負担をかけることなく、エネルギー危機を克服するため、潜在的な予期しないまたは長期的な電力生産能力、エネルギーの伝達または分配能力の欠如に対処することを目的としています。
コソボでは、全てのマイニングへの取り組み禁止宣言直後、「コソボ警察が300台以上の仮想通貨マイニングリグを押収」で報じているように、法執行機関はマイニング業者の所有する設備一式を押収。コソボ警察とコソボ税関は、レポサビッチの自治体で272台の「Antminer」ビットコインマイニングマシンを没収すると同時に、首都プリシュティナ近郊で39のデジタル資産マイニングデバイスを押収し、そのうち35は押収当時稼働中であったことが判明している。