中国当局、仮想通貨の全面禁止の中でラグプル関連詐欺で8人を逮捕

中国でラグプル仮想通貨詐欺

中国は仮想通貨全面禁止規制に乗り出し、事実上、仮想通貨競争から脱落したように見えるが、安徽省東部の池州市の公安局は、5000万元(約9億円)近くの仮想通貨を凍結し、ラグプル詐欺で投資家をだまし取ったとして8人を逮捕した事がわかった。

中国当局による取り締まりが続く中、5000万元の仮想通貨を含むラグプル詐欺で8人を逮捕したとのこと。NIKKEI Asiaの報告によると、複数の投資家が、容疑者が流動性を「匿名のプール」に移し、その後投資家の同意なしに資金を洗浄することを可能にする計画にだまされたことを示唆した。

投資家が2021年6月に59万元(約1,000万円)相当の仮想通貨の損失を報告した後、当局による徹底的な調査が実施され、池州警察が2021年12月、広東、四川、湖南を含むさまざまな州に潜伏していた8人を逮捕したとのこと。また同警察は、投資家からお金を騙したとされる被告人から高級車や別荘などを押収した事も発表した。この件について、池州当局は次のように述べている。

警察の機動部隊による調査と分析の結果、この事件はブロックチェーン技術を使用して仮想通貨を違法に取得する典型的な事件であることが判明しました。


ラグプルの舞台はGainSwapか

池州警察は悪意のあるDeFi(分散型金融)プロジェクトの名前について、現時点では公表言及していないものの、中国で人気の仮想通貨ジャーナリストであるコリン・ウー(Colin Wu)氏は、プラットフォームがGainSwapであると報告している。

日本語訳:
中国の警察はラグプル事件をクラックしました:HECOのGainSwap、8人を逮捕し、100万ドル近くの仮想通貨資産を凍結しました。

ラグプルは、仮想通貨業界で頻繁に発生しているもので、2020年のわずか1%に対して、2021年には、仮想通貨に関連づけられたすべての詐欺収益の37%を占めるまでに広がりをみせている。今回のニュースは、中国の法執行機関が仮想通貨マネーロンダリング(資金洗浄)に関連する259件の訴訟解決を公表してから1週間も未満で報じられており、いかに同様詐欺が頻発しているかが分かる。また、公安省は110億元(約1,985億円)相当に上る仮想通貨を押収したと報告している。

CBDCは認知度が高い

仮想通貨に対する中国政府による規制方針について政策立案者は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などとは対照的に、CBDC(中央銀行デジタル通貨)を積極的採用している。

2014年以降、積極的に開発およびプロジェクトを進めており、PBoC(中国人民銀行)は、まだ全国的にデジタル人民元を完全に実装していない。しかし、中国政府はデジタル人民元の採用を増やすため、中央銀行によって数千万のトークンを付与するなどのキャンペーンも手掛けているこのCBDCパイロットプロジェクトは、上海や北京などの都市部を含む10地域で実施されており、トランザクションは10億ドル(約1,142億円)を超えている。