スイス国立銀行がCBDCデジタルフラのンテストを完了
スイス国立銀行(Swiss National Bank)は、他の大手銀行5行と共同で、CBDCデジタルフランを銀行システムに統合するためのテストに成功したことを発表した。
大手メディアのブルームバーグは、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行がデジタルフランのテストの第2段階を完了したと報じた。2021年12月に実施された3日間のテスト中、5銀行が既存ビジネスアーキテクチャーにデジタルフランのホールセールバージョンを実装。テストに参加したのは、UBS、Citigroup(シティグループ)、Credit Suisse(クレディ・スイス)、ゴールドマン・サックス、HypothekarbankLenzburgの5銀行だ。テストでは、銀行間、金銭、国境を越えた送金など、さまざまなデジタル通貨取引を対象としていたとのこと。
このテストは、「ProjectHelvetica(プロジェクトヘルベティア)」と呼ばれる実験の一環として実施され、その目的は、CBDC(中央銀行のデジタル通貨)を発行することの実際的な複雑さ、法的問題、政治的影響を特定することであったとのこと。
デジタルフラン発行については未定
スイス国立銀行がテストの第3フェーズを展開するかどうかはまだ不明だ。
デジタルフランのテストの第2フェーズの結果を受け、スイスがCBDCの発行を決定するかどうかも不明である。スイス国立銀行の理事会のメンバーであるトーマス・モーザー(Thomas Moser氏)は2021年3月、スイスがデジタル通貨の導入を急ぐことはないと述べ、お金のデジタル版は、支払いを行う際の匿名性の点で現金よりも大幅に劣っていると述べている。同氏によると、スイスではデータ保護とプライバシーが高く評価されており、人々はそれを「完全に匿名の支払い」に使用できるため、現金を求める傾向にある。また、受託者のお金をデジタルの対応物に置き換えることは、国の2層銀行システムを危険にさらすだろうと同氏は信じている。さらに同氏は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)はもともとアイデアとコンセプトの点でエキサイティングなものだったと述べ、次のように語っている。
ビットコインは、仲介業者や中央のカウンターパーティなしで新しい金融システムを作成することになっていました。
スイスはEU(欧州連合)加盟国ではないものの、単一市場の一部だ。スイスのほとんどの企業は、スイスフランと並んでユーロを受け入れており、デジタルフランが外部の法定通貨と一緒に機能するのを見るのも大変興味深いものがある。