Coinbaseがビットコイン先物取引FairXの買収を発表

CoinbaseがFairXの買収を発表

米国の大手仮想通貨取引所の一つであるCoinbase(コインベース)が、米国を拠点とするCFTC(Commodities Futures Trading Commission=米国商品先物取引委員会)規制のデリバティブ取引所であるFairXの買収を発表したことが明らかになった。

CoinbaseはFairXの買収について、公式ブログで発表しており、FairXの買収は2022年3月末までに完了する予定だ。今回の買収は、顧客にとってデリバティブ市場をより親しみやすいものにするのに役立つとのこと。Coinbaseによると、FairXを買収したことにより、米国で仮想通貨デリバティブ製品を提供できるようになったとのこと。

米国の全Coinbase顧客に仮想通貨デリバティブを提供予定

FairXは、2021年5月に立ち上げられた比較的新しい指定契約市場(DCM)であり、2020年後半にCFTCから規制当局の承認を受けている。

今回の買収に伴ない、Coinbaseインターナショナルの責任者であるブレット・テジポール(Brett Tejpaul)氏は次のように述べている。

将来的には、FairXのインフラストラクチャーを活用して、米国のすべてのCoinbase顧客に仮想通貨デリバティブを提供する予定です。透明性のあるデリバティブ市場の発展は、あらゆる資産クラスにとって重要な転換点であり、個人投資家と機関投資家の両方にとって、仮想通貨経済へのさらなる参加を可能にするだろうと私たちは信じています。

米国内でビットコインやイーサリアムの先物取引ができる取引所は少なく、現物の金融商品が人気を占めている。CME GroupIncやKrakenなどの一部の米国拠点の取引所がデリバティブ取引を提供する一方で、BinanceやOKExなどの米国外の取引所がデリバティブ市場で最大のシェアを占めている。デリバティブ取引は投資をヘッジするのに役立つとされており、Arcane Researchによる最新レポートで、投機家は新年の変わり目にデリバティブ市場でレバレッジ取引にますます目を向けていることが明らかになっている。

また、CryptoCompareの報告によると、デリバティブ市場の取引量は最近、スポット市場の取引量を上回り、2021年12月には2.9兆ドル(約331兆8,948億円)に達している。その一方で、デリバティブ取引に関心を示しているのは、米国を拠点とする取引所だけではなく、昨年の8月にサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏が率いるグローバル取引所であるFTX.USは、CFTCによって規制されているデリバティブ取引プラットフォームであるLedgerXの買収計画を進めた。さらに12月には、シンガポールを拠点とするCrypto.comが、北米のデリバティブ取引所の買収を明らかにしており、仮想通貨デリバティブ市場への関心が増加している。