SECがNYDIGビットコインスポットETF決定を延期
SEC(米国証券取引委員会)は、ビットコインのカストディサービスを提供するNYDIGが提案したビットコインスポットETFの承認の延期を発表したことが分かった。
NYDIGは2021年6月30日にビットコインスポットETFの提案を提出し、これに対してSECは、2022年1月15日までに提案を承認するかどうかを決定することになっていたが、2022年3月16日までに延期された。
ビットコインETFに対して慎重な姿勢のSEC
ETFとは、投資家が資産を表す株式を、外貨、金、ビットコインなど、実際に取引することなく購入できるようにする投資商品であり、SECがビットコインETFを承認することで、機関投資家からの投資を呼び込み、ビットコインの価格を引き上げると予想されており、SECは正式発表の中で次のように述べている。
提案された規則の変更と受け取ったコメントを検討するのに十分な時間を確保するために、スポットビットコイン上場投資信託(ETF)に関するNYDIGの提案を決定する期間を60日延長しました。
同じくビットコインスポットETFの承認待ちであったBitwise、Grayscale、およびWisdomTreeに関する決定はすべて2021年12月に延期されている。NYDIGは、70億ドル(約8兆1,104億円)相当のStone Ridge Asset Management社のデジタル資産に焦点を当てた子会社であり、ビットコインスポットETFの競争において、かなりの規模の企業である。
ビットコインETFについては2021年にValkyrie、ProShares、およびVanEckがSECから承認を得たことで、多くの企業がビットコインETFの承認を待っている形となっている。しかしながら、ビットコインスポットETFは長年の間、米国でリリースされておらず、米国を拠点とするビットコインスポットETFは仮想通貨業界にとって主要なマイルストーンとなることが期待されている。実際、2021年10月にProSharesのビットコイン戦略ETFがニューヨーク証券取引所で取引を開始した際には、10億ドル(約1,158億円)近くの取引高を記録したことが明らかになっている。一部の専門家は、ビットコインスポットETFが2022年末までに開始されると予測しているが、実際にいつ頃承認されるかなどのめどは立っていないのが現状だ。
一方で、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)議長は、ビットコインは米国の銀行システムとその世界的なコンセンサスである証券取引委員会の競争相手になりうる存在であるとの解釈を示しており、ビットコインETFに対して慎重な姿勢を見せている。