コロンビア最大銀行がGeminiを通じて仮想通貨を顧客に提供
コロンビア国内最大銀行のBancolombia(バンコロンビア)は、キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)兄弟が創設した仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)と提携することで、Bancolombiaの顧客に仮想通貨取引を提供すると発表したことが明らかになった。
この発表より、コロンビア国内に居住する者は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサ(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)などの仮想通貨を銀行口座から直接購入できるようになる。
Bancolombiaはコロンビア国内最大の銀行で、2020年の総資産は2,757億6,000万ドル(約31兆2,869億円)、同年のユーザー数は1,600万人を超えており、今回のパートナーシップは地元の仮想通貨業界の発展にとって非常に重要であると考えられている。今提携は、コロンビアの金融規制機関であるSFC(Superintendencia Financiera de Colombia=コロンビア金融・財政監督局)が実施するパイロットプログラムの一環であり、ユーザーにシームレスで安全な仮想通貨へのアクセスを提供することが目的である。
コロンビアに続く南米の規制
Geminiは、Gemini Custody、Gemini Fund Solutions、および登録投資アドバイザーやFinTechプラットフォームとの統合を通じ、世界中の金融機関や資産管理者に仮想通貨サービスとインフラを提供している企業だ。
Geminiは今回の提携がラテンアメリカにおけるプレゼンスを戦略的に拡大するための重要な一歩となるとみている。Geminiの戦略、企業開発を率いるシンシア・デル・ポゾ(Cynthia Del Pozo)氏は次のように語っている。
今回パートナーシップは、ラテンアメリカにおけるGeminiのプレゼンスの戦略的拡大に向けた重要なステップとしても機能しするでしょう。私たちは、コロンビアの仮想通貨エコシステムと緊密に連携し、コロンビア人が経済的生活を管理できるようにする仮想通貨製品をサポートすることを楽しみにしています。
コロンビアの規制サンドボックスは2021年4月の開始以降、ゆっくりと進んでおり、実施が承認されたプロジェクトは9件にのぼるにも関わらず、運用段階にあるのは2件だけだ。一方で、ブラジルやスペインもコロンビアと同様の政策を策定しており、ブラジルの規制サンドボックスは迅速かつ効率的な支払いシステムを促進し、スペインはセキュリティとコンプライアンスのメカニズムを強化しようとしている。また、スペインの中央銀行は2020年から2024年までの間に、CBDCの設計と実装を行う計画を明らかにしており、来年独自のCBDCを立ち上げる予定のブラジルよりも遅れての参入となりそうだ。