米・大統領ワーキンググループ:ステーブルコインに立法措置を求めたレポートを発表

PWGが新ステーブルコインレポートを発表

米国のバイデン政権は、ステーブルコインを規制するためのさらなる措置を講じるよう、議会に要請したことが明らかになった。

金融市場に関するPWG(米国大統領ワーキンググループ)は、FDIC(米・連邦預金保険公社)およびOCC  (通貨監督庁)と協力して、ステーブルコインに幅広い立法権を行使することを推奨するレポートを発表した。

同レポートによると、急速に成長しているステーブルコイン市場に連邦政府の監視を拡大するための迅速な立法措置を求めており、ステーブルコインに一定の規制が必要であるとの立場を示している。また、PWGは、ステーブルコインに関するレポートの中で、市場に出回っている一部のステーブルコインについて、有価証券とみなされる可能性がある事も明らかになっており、同レポートで次のように主張している。

ステーブルコインの急速な成長は、特定のリスクへの対処の緊急性を高めています。行動を怠ると、ユーザー、金融システム、およびより広範な経済を適切に保護せずに、支払いステーブルコインが成長するリスクがあります。対照的に、支払いステーブルコインへの信頼をサポートする規制の枠組みは、ステーブルコインが有益な支払いオプションをサポートする可能性を高める可能性があります。


ステーブルコインによってもたらされる3つのリスク

PWGによって発表されたステーブルコインに立法措置を求めた同レポートは、規制されていないステーブルコイン市場によってもたらされる、国益に対する3つの特定のリスクをあげている。

国益に対する3つの特定のリスクは以下の3項目だ。

・ステーブルコインの実行によってもたらされるリスク
・支払いシステムとしてのステーブルコインの安定性に関連するリスク
・経済力の集中のシステミックリスクで

支払いシステムとしてのステーブルコインの安定性に関する問題への対処として、同レポートは、連邦政府の監督の元、すべてのエンティティが適切なリスク管理基準を満たすことを要求する事などを提案している。一方、経済力の集中リスクにかんしては、ステーブルコインの発行者に営利団体との提携を制限する活動制限を遵守することを要求することで、リスクを軽減することができると提案している。

実際、ステーブルコインは仮想通貨に属しているが、ビットコインや他の仮想通貨とは異なり、いわゆるステーブルコインの価値は金などの金属やドルなどの通貨にリンクされているという特徴がある。そのため、ステーブルコインの流通スピードは極めて速く、今年の初めの290億ドル(約3兆3,000億円)から、ここ数週間で1,330億ドル(約15兆1,470億円)以上に増加しているため、より厳しい規制がなければ大きな財政問題になる可能性が危惧されている。

ステーブルコインの流通が爆発的に拡大するなか、適切なリスク管理と規制の提案は、ステーブルコインを正しく活用するという点でも重要な問題であると認識されている。