ヴィタリック・ブテリン、エルサルバドルのビットコイン採用方針を批判

ブテリン氏がエルサルバドルのビットコイン採用法を批判

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領の商人や企業に対するビットコインの使用に関して、批判していることが明らかになった。

ブテリン氏は、ブケレ大統領がエルサルバドルの国民に対して、ビットコインの使用を半ば強制するのは、仮想通貨の「自由の理想」に反していると批判。同氏は、ブケレ氏は仮想通貨コミュニティによって賞賛されるべきではない、といった内容のReddit記事を公開した。

エルサルバドルは、NEXTMONEYの特集記事「エルサルバドルが圧倒的多数で正式にビットコインを法定通貨として可決」で報じているように、ビットコインを国の法定通貨として採用した初めての国であり、多くの国や企業から大きな注目が集まっているのが現状だ。

ビットコイン主義者を喜ばせるのは簡単

記事の中でブテリン氏は、権威ある立場の人が何かをしたり、ビットコインに賛成している話しをすることで、ビットコイン主義者を喜ばせるのは簡単だと述べた。

ブテリン氏は、ビットコイン法の誇大宣伝と選択肢を持たせない独裁主義的な姿勢について、仮想通貨コミュニティはそのような大規模で非常に影響力のある法律についてもっと警戒する必要があると警告している。同国の立法者が2021年初め、仮想通貨を法定通貨として採用することに賛成して以来、ブケレ大統領は反対派や国際社会からの批判に直面している。実際、ビットコイン法は、仮想通貨コミュニティからだけでなく、法に抗議するために街頭に出たエルサルバドル市民からも批判に直面しており、エルサルバドル政府の権威主義的な傾向が問題視されており、ブテリン氏はエルサルバドルのビットコイン採用について次のように語った。

エルサルバドルの何百万人もの人々が、全く事前の教育を行わずにビットコインを採用することは無謀であり、多くの人々がハッキングされたり詐欺に遭ったりするリスクがあります。

ブテリン氏は先月、TwitterのCEOであるジャックドーシー氏が、明確な検証もなく、分散型ビットコインファイナンスを立ち上げようとしたことに対しても批判を述べている。しかしその一方で、ブケレ大統領はビットコインを法定通貨として採用することのメリットについて、海外送金手数料を毎年4億ドル(約440億円)ほど節約できることや、銀行が利用できない多くの国民が、通貨の送金を自由に行うことができることなどを挙げている。多くの国や国民がビットコインの法定通貨採用を批判するなか、どのように国民や国際社会に理解を得ていくのか、今後に注目していきたい。