インドで偽造証明書と戦うブロックチェーン
近年インドでは広範囲にわたる卒業証書の偽造が報告されており、インドの雇用市場における激しい競争に起因していることから、これらに対応するため、インド・MSBSD(マハラシュトラ州技能開発委員会)が、本物の資格の透明性を確保するための新しいブロックチェーン検証システムを立ち上げた。
MSBSDが立ち上げた新システムは、世界最大の教育用ブロックチェーンシステムで、ブロックチェーンテクノロジーとデジタル通貨に関して、法的取扱いをインド政府が保留中にもかかわらず、技能開発委員会が主導となり、プロジェクトを進めていった。マハラシュトラ州政府は最近、CrossforgeSolutionsPvtが所有するインドのブロックチェーンスタートアップであるLegitDocと提携している。このシステムは、8学年(※日本の小学校1年生から中学3年生に相当)にわたってMSBSDの学生のために約100万のデジタル卒業証書の発行と検証を容易にしました。
Legitdocは、MSBSDによって発行された元のPDF卒業証書と、LegitDocソフトウェアによって生成された対応するブロックチェーン証明ファイルを含むデジタルファイル「certficate_LegitDoc.zip」を各学生に提供。学生は、個々の「certficate_LegitDoc.zip」ファイルを、雇用主や大学など、それらを確認したい人と共有し、正当性を証明できる。証明書のバッチごとに、システムは「凝縮されたフィンガープリント」を生成し、このプロセスが完了すると、証明書は公開鍵とは異なり、ブロックチェーンにアップロードされ、発行者と一緒に安全に保管される。LegitDocは、生成されたすべてのPDFのブロックチェーンに基づいて一意のプルーフファイルも生成するとのこと。
インド政府も注目のブロックチェーン利用メリット
ブロックチェーンを利用したクレデンシャルシステム(※1)により、政府は利点を得ることを望んでいる。証明書認証プロセスは、世界中のどこからでも即座に実行でき、学生だけが証明書の完全な所有権を持つ。同システムは、この問題に対処するために従来のデジタルソリューションを適応させるために必要なリソースが不足している国を含め、世界中で偽造の脅威を阻止するための堅牢(けんろう)でスケーラブルな方法につながると考えられる。
IDやパスワードをはじめとする、ユーザー等の認証に用いられる情報の総称を指しており、資格、経歴、認定証、信任状などの認証などで用いられる識別情報の総称を指す。