USDCのCircle、連邦公認国立銀行を目指してSECにS-4ファイルを提出

Circle がフルリザーブ国立商業銀行を目指す

ステーブルコインUSDコイン(USD Coin/USDC)の発行・管理を行うCircle(サークル)のジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)創設者兼CEO(最高経営責任者)による公式ブログによると、Circleは、フルリザーブ(※1)の国立商業銀行になることを目指していることが明らかになった。

(※1)リザーブバンキング(Reserve Banking)とは…
日本では完全準備銀行とも呼ばれるもので、預金保険の適用を受けている預金部門と、貸付部門とを分離し、預金で集めた資金の運用は財務省証券など安全な資産に限定。貸付部門は市場からの資金調達を行わせ、銀行が預金の一部を保持することを要求される銀行の形式を指す。

公式発表前にSECへS-4フォームを提出

Circleは、8月9日(木曜日)付けのブログで、銀行になるという決定を公式に発表したが、発表前の8月6日(月曜日)、SEC(米国証券取引委員会)にS-4フォーム(※2)出している。

(※2)S-4 とは…
1933年に制定された米国証券法に基づく登録届出書(PDF)を指しており、経営統合取引に際して発行される証券を米国証券法に基づ
いてSECに登録するに際に使用する登録届出書式を指す。

約3年前、同社はステーブルコインUSDCを立ち上げ、2021年には発行枚数が約275億ドル(約3兆円)を超えるまでに成長しており、USDCは、新しいデジタル通貨対応の金融システムの重要なインフラストラクチャーに成長しており、アレールCEOは次のように語った。

Circleは、連邦準備制度、米国財務省、OCC、およびFDICの監督およびリスク管理要件の下で運営されている、フルリザーブの国立商業銀行になることを目指しています。


Circleが銀行として正式に認められた場合

アレール氏はCircleの公式発表で、デジタル通貨テクノロジーに基づいて構築されたフルリザーブバンキングは、根本的に効率的であるだけでなく、より安全で回復力のある金融システムにもつながると信じているとの見解を明かした。

Circleが銀行として正式に認められた場合、より多くの規制と政府の監視の対象になることが予想されており、現在よりも厳格な運営体制が求められる。

現在、Circleは送金規制に基づいて運営されているが、フルリザーブ銀行として、またはCircleが「国立デジタル通貨銀行」と呼んでいるように、Circleは、連邦準備制度、米国財務省、OCC、およびFDICの4つの異なる政府機関によって監督されることになる。さらに、銀行になり、これらの機関に回答するには、現在のように自発的に毎月発行される独立した第三者の証明書ではなく、Circleがその準備金に関するより詳細なレポートを発行しなければならない。

アレールCEOはデジタル通貨を主流の経済に取り入れるためには、ドルを使い果たしたデジタル通貨の国内規制基準を確立することが最も重要であると考えており、Circleの今後の展望について、次のようにコメントしている。

今後数年間で、USDCは数千億ドルの流通に成長し、低摩擦で信頼性の高い経済活動で数兆ドルをサポートし続け、金融サービスやインターネットコマースアプリケーションで広く使用されるようになると予想しています。