韓国FSCが仮想通貨取引所に厳しい規制を実施
韓国FSC(金融委員会)は、韓国内で運営されている海外企業が運営する仮想通貨取引所を含めた仮想通貨取引所全てに対し、今後2カ月以内に当局に登録するように厳しい警告を発し、登録できなかった場合、取引所は閉鎖されるリスクがあると発表した。
韓国の仮想通貨市場は、FSCが主導権を握って以降、仮想通貨業界に関する規制を強化してきたが、特定の金融情報法に沿って、すべての海外取引所を含む仮想通貨取引業者もその範囲内に置くことを実行しつつある。韓国内で仮想通貨取引所を運営している仮想通貨取引所に対し、9月24日までに当局に登録するよう警告。さらに、取引所が登録を果たせなかった場合、5年の懲役と多額の罰金に直面することを警告した。
プレスリリースでFSCは取引所に9月24日の期限を与えたことで、韓国内で運営されている仮想通貨取引所は、速やかに当局に登録するか、即時閉鎖に直面した。特定金融情報法に基づき、登録せずに期限を過ぎて営業を続ける仮想通貨取引所は、5年の懲役刑に処せられるほか、5,000万ウォン(約480万円)の罰金を科すことが発表された。また、FSCは期限後にまだ登録されていない取引所が所有するインターネットサイトへのアクセスをブロックすることも計画している。
今規制は全ての仮想通貨取引所が対象
韓国の仮想通貨トレーダーは、仮想通貨取引所が、当局による登録要件を遵守しているか、今後は注意深く確認しなければならない。
その理由として、2021年9月25日以降、未登録仮想通貨取引所を利用した仮想通貨取引は違法と見なされるためだ。登録要件は、韓国内と海外にオフィスがあるかどうかに関係なく、韓国の仮想通貨トレーダーにサービスを提供しているすべての取引所に適用される。また、韓国ウォンでの取引を提供する仮想通貨取引所、韓国語をサポートする取引所、または韓国人向けのマーケティングを行う取引所にも適用される。
FSCは、これまでに27取引所に通知を送信し、KoFIU(Korea Financial Intelligence Unit=韓国金融情報分析院)に登録する必要があることを通知。さらに、これまでのところ、アジア諸国でこのような企業に義務付けられている情報セキュリティ管理システム(ISMS)証明書を取得している海外取引所はないことを指摘した。
今回発した警告は、韓国がデジタル通貨業界の監視を強化することを推進している真っ只中に実施されており、デジタル通貨によるマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐための強化されたシステムを主張している。今規制によって最大の変化の1つと言えるのが、トレーダーに実名口座を発行するため、すべての取引所が銀行と関係を持つ必要があることだ。この要件はこれまでで最も厳しいものであることが証明されており、多くの銀行は取引所との取引を避けているのが現状である。業界に伴うリスクは、取引所から銀行へもたらす利益を上回っているとみられており、現在、Bithumb、Upbit、Coinone、Korbitの4取引所のみが銀行関係を確立している。