フォビ創設者がフォビを訴える
世界トップクラスの仮想通貨取引所であるフォビ(Huobi:火币)の創設者であるリー・リン(Li Lin)が、同社を告訴しようとしている事が分かった。
同社は取引量の減少を考慮し、2023年初から危機に陥っていると噂されており、この景気低迷により、取引所とその運営に対する監視の目が高まっている。そのような監視の目が強まる中で、同取引所は香港へのサービス拡大を計画。一見運営が好調のようにも見えるが、事態をさらに複雑にしているのは、創設者のリー・リン(Li Lin)氏が現在、同取引所を告訴しようとしている点ある。
Huobi founder Li Lin formally sued Huobi Global in Hong Kong for using its Chinese trademark 火币 that was not allowed to continue to be used in the original acquisition contract. Huobi was acquired by Justin Sun for over $1 billion last year. Sun froze Li Lin’s brother’s account…
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) June 21, 2023
Huobiの創設者であるリー・リン氏は、当初の買収契約で継続使用が許可されていなかった中国商標「フォビ」を使用したとして、香港のフォビ・グローバルを正式に告訴した。フォビは2022年、ジャスティン・サンしに10億ドル以上で買収された。サン氏は今年、リー・リン氏の兄の口座を凍結し、HTをダンピングしたと非難している。
仮想通貨ジャーナリストのコリン・ウー(colin wu)によると、フォビ創設者のリー・リン氏は香港高等法院に訴訟を起こしてフォビ・グローバルを訴えている。訴訟では、同取引所がブランドの独占的権利を保有するリー・リン氏の会社であるX-Spotからの同意を得ることなく、「Huobi」商標を使用したと主張している。
リン氏がサン氏の運営する企業株を売却
裁判所への提出文書でリン氏は、取引所の株式をジャスティン・サン(Justin Sun)氏の投資会社アバウト・キャピタル・マネジメント(About Capital Management)に売却したことが明らかになっている。
しかし、所有権移転契約では、元の株主が会社の商標に対する権利を保持し、買い手に譲渡されないことが規定されているにもかかわらず、フォビは合意に反して商標を再利用したとされており、両者間の緊張は高まっている。対立をさらに激化させるために、サン氏はリン氏の兄のアカウントをブロック。これにより、すでに緊張していた関係にさらにくさびを打ち込む形となった。
フォビ所有者との対立は初めてではなかった
フォビ・グローバル(Huobi Global)は以前の所有者と対立することが多く、最近の開発により緊張がさらに高まっている。
ウー氏の報告書によるとサン氏はリン氏の兄弟が無料で入手した同社のネイティブHTトークンを捨てたと主張しており、サン氏によるブロックを正当化している。さらに、サン氏は、リン氏兄弟がHTコミュニティに貢献せず、トークンを多額で販売したと主張している。これらの申し立てに対して、フォビ・グローバルは、自社の立場を擁護し、世界中の多くの法的管轄区域で商標を使用する法的権利を保有していると主張。これにより、取引所は適切と思われる商標を使用できる。
今回の一件は、フォビ・グローバル・リミテッドの香港進出を妨げ、不確実性を広げる可能性があり、強い関心が寄せられている。なお、サン氏は、同取引所のアジア本部をシンガポールから香港に移転する計画を明らかにしたものの、今事件の展開によっては、同取引所の香港での拡大が妨げられる可能性が指摘されている。