バイナンス、米国の司法取引合意で43億ドルの和解に達する

バイナンスは司法取引合意で43億ドルの和解

Binance Holdings Ltd.(※以下、バイナンスと表記)は、リチャード・ジョーンズ(Richard Jones)連邦地裁判事によって承認された司法取引により、43億ドル(約6,470億円)の支払いを命じられ、米国史上最も高額な刑事罰を受けたことが明らかになった。

これは、仮想通貨取引所バイナンスとジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)元CEO(最高経営責任者)が反マネーロンダリング(資金洗浄)違反で有罪を認め、DOJ(米国司法省)と他の規制機関による長期的な調査に終止符が打たれた数カ月後のことだ。

この和解は、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスとジャオ氏が、ハマスやその他のテロリスト集団との取引を含む反マネーロンダリングおよび制裁違反の罪を認めたことを受けたものである。

最大5年間のコンプライアンス監視も義務付け

シアトルで発表された合意では、ニューヨークを拠点とする法律事務所Sullivan & Cromwell(サリヴァン&クロムウエル)による可能性もあるが、まだ任命されていない独立した会社による最大5年間のコンプライアンス視も義務付けられている。

これは本当に、会社の倫理が貪欲さによって損なわれたケースであると同判事は述べ、上級幹部による意図的な不正行為を強調。何億ドルもの副次的な結果により、検察は金融システムが搾取されやすい状況を放置したバイナンスの役割を強調した。

過去数年のコンプライアンス強化に誇り

バイナンスの副顧問であるジョシュ・イートン(Josh Eaton)氏は裁判官に対し、過去数年にわたって実施されてきたコンプライアンス強化にも誇りを持っていると表明している。

同氏は、同社が過去に全責任を負い、なぜ現在の地位にあるのかを受け入れていることを明かしたとのことだ。ジョーンズ判事は、米国の法律が適用可能であることを認識していたにもかかわらず、それを無視したバイナンスの計算された決定を指摘。バイナンスや他の事業体による将来の同様の行為を抑止し、顧客を保護することを目的とした量刑を強調している。

一方で、司法取引の一環として、ジャオ氏はバイナンスのCEOを辞任し、5,000万ドルの罰金を支払うことに同意したが、同氏は現在2024年4月30日に予定されている判決公判を待っている。同氏は、検察当局が10年を求刑する可能性があるにもかかわらず、18カ月以下の懲役刑の可能性に直面。罰金を払うこととは別に懲役刑の可能性がある。

とはいえ、同氏は現在、1億7,500万ドルの保釈金で保釈された後、渡航制限はあるものの、米国で自由の身となっている。