カザフスタンで石炭を動力源のマイニングが急増
カザフスタンなどで急成長している仮想通貨マイニングは、主に化石燃料に依存しており、化石燃料は2020年、国の電力の90%近くを生成した事が判明した。
政府によって2021年5月に仮想通貨使用制限を実施して以降、中国のビットコインマイニングはほぼ完全に停止。この活動の多くは、石炭などの化石燃料が国の電力供給の90%以上を生産しているカザフスタンを含む新たな場所へとマイニング活動の拠点を移している。
ビットコインは、数学の問題を解決して通貨を確保するマイナーと呼ばれるコンピューターのネットワークに依存しており、その過程で大量の電力を消費する。
FINANCIAL TIMES「Cambridge Center for Alternative Finance」より画像引用
CCAF(Cambridge Center for Alternative Finance:ケンブリッジオルタナティブファイナンスセンター)の調査によると、これまで急速だった新しいビットコインミニングプラントへの投資は、禁止を見越して2019年9月から2021年4月にかけて中国で停止している。
中国から他国へと移り変わったマイニングシェア率
世界のビットコインマイニングパワーの中国のシェアは、期間中に75.5%から46%へと一気に減少し、同時期にカザフスタンの世界のマイニングシェアはわずか1.4%から8.2%へと大きく上昇し、米国に次ぐ3位へとシェア率を拡大させている。
現在、ビットコインは気候変動への影響についての批判の高まりに直面しており、カザフスタンのマイニングシェアの増加は、国が化石燃料に大きく依存しているため、その物語をさらに進める可能性があるとみられている。IEA(国際エネルギー機関)のデータによると、カザフスタンは2018年に世界で9番目に大きな石炭生産国であった。その同じ年に、電力の70%は石炭火力から、20%は天然ガスから得られ、再生可能エネルギーは、国のエネルギー供給のわずか1.4%を占めている。
中国の禁止はセクター全体を揺るがし、CCAFデータは、世界中のマイニング業者の半数以上が操業を停止したことを示している。当NEXTMONEYの特集記事「中国のマイニング取り締まり後、ビットコインのハッシュレートが一晩で17%低下」、「中国の規制強化後、ビットコインのマイニング能力の90%以上が閉鎖」でもこれらについては報じている。なお、ネットワーク全体が5月中旬に132テラワット時のエネルギーを使用していると推定されたものの、7月上旬には59TWhに急落している。