イスラエルのPepper Investが仮想通貨取引を展開

イスラエル大手銀行が仮想通貨サービスを可能に

イスラエルの銀行業界で最大のサービス提供者の1つであるレウミ銀行(Bank Leumi)は、ユーザーに仮想通貨の購入、保有、売却を可能にしたことが明らかになった。

Pepper Investは、仮想通貨取引を可能にし、イスラエルでサービスを提供する初の銀行プラットフォームになることを発表。近い将来、レウミ銀行の顧客もこのサービスにアクセスできるようになるとのことだ。レウミ銀行は、ブロックチェーン基盤プラットフォームの大手である米国企業Paxosと提携したことで、投資プラットフォームに仮想通貨取引を追加する予定でとのこと。Paxosは2012年に設立されたブロックチェーンプラットフォームで、米国の主要規制当局からライセンスを取得しており、PayPalBank of AmericaRevolutなど、数十社の戦略的顧客や投資家を有しているほか、200億ドル(約2兆4,624億円)以上の資産を管理し、全世界で4億人以上の顧客を保有していることで知られている。

このサービスにより、Pepper Investの顧客は、第一段階としてビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)を、1取引あたり50シェケル(約1,900円)から購入、保有、売却ができるようになる予定だ。さらに、売却取引と当座預金のシェケルへの戻し入れの際には、イスラエル税務当局のガイドラインに従い、Pepperが税金を徴収するため、顧客は複雑な税金管理する必要がなく、Pepper Investのウリ・ネイサン(Uri Nathan)CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。

われわれは、イスラエルの銀行システム初、そして世界でも数少ない、仮想通貨ウォレットをダウンロードする必要がない仮想通貨取引を可能にする予定です。すべての複雑な税金処理が銀行によって解決され、シンプルかつ安全で信頼性の高い仮想通貨取引を顧客に提供できることを誇りに思います。


ウォレットリリースも間近か

イスラエルは長年、仮想通貨に関して中立的な立場を維持してきたが、最近の国の規制当局の心情は、同国のデジタル資産市場や仮想通貨ファンにとって好ましいスタンスへと変化しているようだ。

実際、トルコを始めとする中東諸国では、仮想通貨取引が盛んになっており、最近では、ウクライナ侵攻後のロシアでのルーブルの暴落などにより、通貨のヘッジ手段として仮想通貨が好まれているとのこと。一方のレウミ銀行は、イスラエルで100年以上の業界経験を持つ大手銀行であり、仮想通貨および分散型市場の収益性の可能性と、決済手段としての魅力を認めている。同銀行は、仮想通貨ウェブサイトがローンチされる具体的な期限などは提示していないものの、間もなくウォレットがリリースされる予定ではないかとみられている。