ロシア外相、仮想通貨が和解に重要な役割を果たす可能性があると述べる
ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、プリマコフ・リーディング・フォーラム(Primakov Readings Forum)で、国際決済層としての仮想通貨の将来の重要性について話し、これら資産は将来的に「重要な役割」を持つと述べた事が分かった。
ロシアでは金融関連活動の一部を脱ドル化へシフトするため、努力を重ねており、今回のラブロフ外相の声明は、将来の計画を垣間みられる。ロシアのラブロフ外相は、国際決済層の一部として仮想通貨の将来の重要性に言及。同外相は2021年6月の第2週目に開催された重要な外交官会議であるプリマコフリーディングフォーラムに出席した際、今回の発言に至っており、国家間債務を解決するための仮想通貨の使用について次のように述べている。
仮想通貨が非常に重要な役割を果たし、国際決済で非常に重要なセグメントを占める時が必然的に来ると思います。パートナーとの二国間貿易に関し、私たちは中国や他のSCO (※1)メンバーなどの国々との自国通貨について、ますます他の通貨に依存するよう努めています。
SCOは、Shanghai Cooperation Organization(上海協力機構)頭文字を取った略語で、中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8カ国による多国間協力組織を指す。
ロシア政府による完全脱ドル化宣言
ロシアは、制裁の強化から保護する方法として、投資インフラストラクチャーの一部を完全な脱ドル(非ドル)化することを推進している。
今月初め、アントン・シルアノフ(Anton Siluanov)財務相は、NWF(Russian National Wealth Fund=ロシア国立富基金)が、他の通貨のためにドルを捨てると報告。現在6,000億ドル(約66兆600億円)以上の価値があるこの基金は、代わりに人民元とユーロベースの投資を支援するとみられる。
これらは、ロシアが商取引を行う際、ドルを介さず生き残れる強力な政治声明であると多くの人が考えている。一部の専門家によると、ロシア人もこの戦略の重要な部分として仮想通貨をプロファイリングしているとのことだ。
デジタルルーブル
将来的にデジタルルーブルの発行も脱ドル化推進において極めて重要な役割を果たす可能性がある。
ラブロフ外相は、中央銀行のデジタル通貨の開発がすでにロシアで進行中であると宣言。実際、ロシア中央銀行は、2021年末にCBDC(デジタルルーブル)のプロトタイプを作成することを明らかにしている。デジタルルーブルは、政府がプロトコルを管理し、デジタル元が機能するのと同じように機能するように設計され、商業銀行には仲介サービスを提供する機会もあるとのことだ。
送金セクターでも仮想通貨はますます熱気を帯びており、エルサルバドルでは、NEXTMONEYの特集記事「エルサルバドルが圧倒的多数で正式にビットコインを法定通貨として可決」で報じたように、先週、ビットコインを法定通貨とみなす「ビットコイン法」が宣言された。これは、何百万もの市民が仮想通貨の世界への参入を容易にする可能性があり、歴史的な法律が可決と仮想通貨市場関係者らは見ている。エルサルバドルからのビットコイン送金は急増したものの、それでも現段階ではドルベースの送金のほんの一部に過ぎないのが現状である。