IRSがデジタル化プロジェクトで不正行為撲滅
IRS(米国内国歳入庁)は4月2日、2021年度中に業務のデジタル化を加速させるという計画を発表した。
内国歳入庁(IRS)、エンタープライズデジタル化およびケース管理オフィスデジタル化テクノロジーバーティカルプロジェクトのイニシアチブには、紙からの移行、低品質の画像からのデータの抽出、人工知能に基づく新しいツールの開発などが含まれている。AIと機械学習(ML)プロジェクトで進められている人工知能に基づく新しいツールの開発では、「チャットボット(Chat bots)」を導入し、仮想通貨のトランザクションをより適切に追跡することを目的としている。
IRSは、暗号化サービスに関する情報を見つけるため、多くのデータ入力を利用するAIと機械学習を導入する予定であり、これにより1,000万ドル以上の仮想通貨プロジェクトを自動で監視することができるとのこと。IRSは発表の中で次のように語っている。
IRSは仮想通貨に関する公開されている情報源を利用しており、必要な混乱と分析のために公開されたオープンソースデータを取り込むイニシアチブはサービスに価値を示す可能性があります。自動化されたプロセスを確立し、機関全体でアクセスできる環境にデータを取り込みます。オープンソースのデータは、ダークウェブやクリアウェブの情報、ソーシャルメディア、公文書や書類、そして利用可能なドメイン名登録(DNS)や地理的IPデータなどの技術的な要素から構成される事になります。
IRSデジタル化の背景にあるものとは
IRSは最近、NEXTMONEYの特集記事「IRS米国内国歳入庁、Circleに対してJohn DOE召喚状サービスを承認」、「IRS、Krakenの顧客記録を求めて召喚状を請求=裁判所は要求縮小を要請」で報じたように、USDC発行者Circle(サークル)のクライアントと仮想通貨取引所Krakenのユーザーに関する情報請求訴訟を起こしている真っ只中であり、このような声明が発表されたとも考えられる。
また、仮想通貨取引所Krakenの顧客情報請求に関しては、裁判所から請求情報の範囲が広すぎるとして、申請を差し戻されており、今後の行方が注目されている。