イーサリアム(ETH)、2018年以来となる500ドルに上昇
ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアム(ETH)は20日、心理的トレンドラインである500ドルを突破した。500ドルは2020年の最高値であり、この価格を突破したのは、2018年6月以来となる2年5ヶ月ぶりの価格上昇である。
TradingViewより画像引用
執筆時点のイーサリアム価格は、498ドルで過去24時間で約6%以上の上昇率を記録している。イーサリアムは2020年、ビットコイン同様に好調に価格を推移しており、2020年始めの約127ドルから293%と驚異的な上昇率を記録している。
また時価総額トップのビットコインに関しても18日、過去24時間で8%以上の上昇率を記録し、その価格は今年最高値の18,000ドルまで上昇しており、市場全体が上昇トレンドに突入している状況だ。
イーサリアム上昇は、イーサリアム2.0と関係するのか
イーサリアムの価格上昇には、大型アップデートと称されるイーサリアム2.0が関係しているだろう。現在、イーサリアム2.0の初期フェーズが計画通り12月1日にリリースされる予定である。このイーサリアム2.0のフェーズ0は現在、ステーキングのデポジットコントラクトを実行しているが、その進捗は実際には大きな遅れを取っている。
イーサリアム2.0のフェーズ0で必要なデポジットコントラクトは524,288 ETHと設定されているが、執筆時点のデポジットは106,976ETHと、必要ETHの20.4%しか満たしていない。イーサリアム財団のコア研究者であるダニー・ライアン(Danny Ryan)氏によると、計画どおりに12月1日にローンチするには全てのETHを7日前に預ける必要があるという。
イーサリアムの創業者Vitalik Buterin(ヴィタリク・ブテリン)氏も、デポジットコントラクトに3,200ETHを入金したことが明らかにしているが、その進捗は芳しくない。しかし、デポジットコントラクトのETH不足は、2020年現在の多くのユーザーが参加するDeFi(分散型金融)が大きく影響してると考えられている。これはデポジットコントラクトに預けたイーサリアムがDeFiプロトコルのサービスに使用できなくなるためだ。
だが、市場のイーサリアム保有者が、DeFiサービスに目処を付け、デポジットコントラクトの期限直前にデポジットする可能性は非常に高く、今後も最高値の更新が期待される。