イーサリアムブロックチェーンが年間1兆円処理
イーサリアムネットワーク(Ethereum network)はビットコインの2倍以上のトランザクション量を処理しており、現在のペースで行くと、今年は1年間に1兆ドルを処理する予定であることが分かった。
すい星のごとく沸き起こったと言っても過言ではない第3四半期のDeFi(分散型金融)ブームによって、イーサリアム(Ethereum/ETH)ネットワークはビットコイン(Bitcoin/BTC)の1日あたりのトランザクション量の2倍以上を処理していることが分かった。
仮想通貨市場の分析を手掛けるMessari(メッサリ)によると、イーサリアムのトランザクション量30日間のローリング日平均は現在70億ドル(約7,333億円)相当にのぼり、ビットコインの処理は30億ドル(約3,100億円)未満だ。この傾向が続いた場合Messariは、イーサリアムが1年間で1兆ドルの送金を決済する最初のパブリックブロックチェーンになると予測している。
イーサリアムのビットコインと比較した過去の最強の1年は2018年だ。当時は5億のボリュームを処理しており、その年のビットコインの8億4900万ドルの59%にしか過ぎなかった。今年はビットコイン価格が2018年に続く2番目に強い年であり、8億ドルを処理すると予測されている。
Messariより画像引用
ただし、2つのブロックチェーンを簡単に比較することはできないだろう。DeFiバブルは主にイーサリアムを利用したスマートコントラクトの上で発生しているため、イーサリアムネットワークは現在、セクター全体のボリュームを処理し、ビットコインは主にBTC建ての価値の移転を表しているためである。
Messariのライアン・ワトキンス(RyanWatkins)氏は、イーサリアムのボリュームスパイクの多くがERC-20ステーブルコインのボリュームの増加に起因すると考えている。現在、テザー(Tether/USDT)トランザクションの大部分がイーサリアム上で実行されており、マイニング主導の需要が多く発生しており、MakerDAOのDAIステーブルコインの供給が600%以上も増加した事が大きな要因だと述べている。
ワトキンス氏は、DEX(分散型取引所)によるチェーン上の流動性の急増に注目。UniswapとCurveは9月に合わせて200億ドル以上の取引高を生み出しており、現在DEXは総交換量の13.6%以上を占めているのだ。
Messari社は、仮想通貨で今後12カ月間でプラットフォーム戦争を定義するようになる可能性があると予測しており、並列DeFiエコシステムの台頭とともに、ライバルのブロックチェーンが解決しようとする問題としてイーサリアムの継続的な高額な料金を指摘している。