高インフレのトルコでビットコイン急増|リラは過去最低を記録

トルコでビットコインの採用が急増

好調とみられていた経済が2018年、アメリカとの関係悪化による影響によってトルコリラが急落した事が原因で通貨危機が発生したトルコでは、今年8月にトルコ統計局が発表した2020年4-6月期の実質GDP調査によると、前年同期比-9.9%、前期比は-11.0%と、大きく低下している。

また現地通貨であるトルコリラが最近、ドルに対して過去最低を記録したことで、トルコ国民はビットコインに対して、益々目を向けている状況だ。トルコでのビットコインの採用は、この地域の他の国よりも飛びぬけていると言われている。トルコでは、現地通貨のトルコリラが15日(木曜)に過去最低を記録し、7.95ドルに達したため、ビットコインの採用がより増えている。

ドルは今年に入って現時点までリラに対して約33%も上昇しており、一部のアナリストはすぐに8.5ドルにまで達するだろうと予測している。大手メディアCNBCは、経済アナリストが説明するように、トルコリラは燻製になりつつあると非正統的な政策のために新たな安値に墜落するだろうと報告している。

コメルツ銀行のアナリスト、タサ・ゴース(Tatha Ghose)氏は先週、クライアントへのメモに、以下のように記載したことがメディアで報じられている。

リラの根本的な問題は、中央銀行による信頼できるインフレターゲットの欠如であり、最終的には通貨の原資産を落とすことになるだろう。

トルコ政府は高インフレに苦しんでおり、失業率は14%を超えている。ジョンズホプキンス大学の応用経済学教授でハイパーインフレの専門家であるスティーブH.ハンケ(Steve H. Hanke)氏は、トルコの年間インフレ率は36.57%の高インフレの状況にあり、現在も上昇し続けていると述べている。トルコは火事の家のように外貨準備を燃やし続けていると同教授は表現しており、外貨準備高は現在411.2億ドルで、7月以来ほぼ100億ドルも減少している。

専門家は、トルコの仮想通貨の高い採用率について、この地域の経済の不確実性と非常に不安定なリラに起因するとみている。グローバルピアツーピア(P2P)ビットコインマーケットプレイスPaxfulのCEOであるレイ・ユセフ(Ray Youssef)氏は、以下のように語っている。

トルコリラのインフレ率の上昇は、トルコ国民にとって大きな経済的負担となっている。ビットコインは、トルコリラを取り巻く不安定さから富を守るために使用できる。

また、Paxfulはトルコのプラットフォームでの新規登録が過去12カ月で274%も増加したことも同じく15日木曜日に明らかにした。

同社は、トルコで仮想通貨の採用の大きな可能性を見ていると述べており、トルコでのフットプリントを拡大している真っただ中だ。Paxfulは、トルコリラが支援するトルコリラステーブルコインのBilira(TRYB)プロバイダーおよび仮想通貨取引プラットフォームCointralなどの地元の仮想通貨会社と戦略的パートナーシップを締結し、市場に参入することで、市民の経済的負担の一部を軽減させる事を目的があるとユセフ氏はコメントしている。

記事参照:Bitcoin.com

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