ついにビットコインの生みの親サトシ・ナカモトの正体判明か
近々、米国のケーブルテレビ放送局HBO(Home Box Office)のドキュメンタリー番組が、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の生みの親サトシ・ナカモトの正体を明らかにする可能性が浮上している。
「Money Electric: The Bitcoin Mystery(日本語訳:マネー・エレクトリック:ビットコインの謎)」と題されたこのドキュメンタリーは、2024年10月第2週放映される。サトシ・ナカモトは660億ドル(約9.68兆円)に相当するビットコインを管理していることから、正体が判明する事で、BTCを暴落させる可能性が危惧されている。放映は10月9日(水曜日)の午前2時(日本時間:同日11時)に放映される予定で、この番組は、仮想通貨界最大の謎の1つに終止符を打つと主張している。エミー賞にノミネートされたカレン・ホバック(Cullen Hoback)監督の同ドキュメンタリーは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がビットコイン愛好家から支持を受ける中、金融市場を揺るがし、米国大統領選を揺るがすなど、世界的に大きな影響を及ぼす可能性がある。
ビットコインは2009年の発売以来、大きな影響力を持っており、分散型仮想通貨として誕生し、1兆ドル規模の資産クラスに成長。何年もの間、人々はその作成者であるサトシ・ナカモトの正体について推測してきたが、誰も決定的に証明できていないのが現状だ。
長いサトシ・ナカモトの可能性のある人物のリスト
サトシ・ナカモトの可能性のある人物のリストは長く、数人の名前がここ数年で注目を集めており、オーストラリアのコンピューター科学者クレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、自分の主張を最も声高に主張してきた。
2016年、同氏は自分がサトシ・ナカモトであると公言したが、懐疑論者は彼の証拠に疑問を呈し、事態は法的な問題に発展。その後、2024年5月に同氏は英国高等法院で、証拠が捏造されたとして虚像と認定される判決に直面し、コミュニティは同氏の主張を否定し続け、ライト氏は詐欺師に過ぎないとみなしている。
「bit gold(ビットゴールド)」の作者ニック・サボ(Nick Szabo)氏もナカモト氏と関係があるとされる人物の1人で、著作の言語分析ではナカモト氏のスタイルに似ていることが分かっているが、サボ氏は一貫して否定している。それでも、仮想通貨コミュニティの多くの人は、同氏の著作とビットコインのホワイトペーパーの類似性を疑っている。
また、初期のビットコイン開発者であり、ナカモト氏から直接ビットコイン取引を受け取った最初の人物の1人であるハル・フィニー(Hal Finney)氏も可能性のある人物の一人として浮上している人物だ。フィニー氏はCypherpunk(サイファーパンク、※社会や政治を変化させる手段として強力な暗号技術の広範囲な利用を推進する活動家)運動に深く関与し、ビットコインを作成するための技術的ノウハウを持っていた。
ドキュメンタリーによる影響
HBOがサトシ・ナカモトの正体を暴くことに成功した場合、世界の金融市場に混乱が生じる可能性が指摘されている。
ビットコインの分散型の性質は、政府支援の通貨を信用しない人々を引きつけているが、サイバー犯罪や麻薬販売などの違法行為への使用は、その倫理的意味合いについて果てしない議論を引き起こしている。2010年にオンライン上から姿を消したサトシ・ナカモトは、現在660億ドル以上の価値がある約110万BTCを現在も管理。同氏がまだこれらの資金にアクセスできるかどうかは不明だが、HBOのドキュメンタリーで真実が明らかになれば、世界中の人々から法的および道徳的な疑問が提起される事が予想されている。また、同氏がビットコインのあまり好ましくない使用に加担していたことが判明した場合、その影響は甚大になる可能性も危惧されている。
さらに興味深いのが、BTCの初期のビットコインウォレットがここ数週間でいくつかアクティブになっており、約250BTC(約22億円)が移動された点だ。ウォレットがナカモト氏と明確に結びついているわけではないものの、ドキュメンタリーの公開時期を考えると、ウォレットの再アクティブ化は疑惑を呼んでいる。