コインベース、コールドストレージに「110億ドル相当のビットコイン」を保有
ビットコイン分析プラットフォームChain.Infoによると、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は、約994,904BTCをコールドストレージに保管しているという。これは現在の価格で約110億ドルに相当する。
コインベースがコールドストレージに保管しているビットコインの量は、実際には昨年末から減少しており、2019年12月にコインベースが、966,230BTCを保有していたことが報告されている。それでも、ビットコインの価値は昨年から大幅に上昇しており、ビットコインの価格が上昇し続けるにつれて、当然、コインベースのストレージの価値は上がっていくことになる。
しかし、その一方でコインベースのビットコイン保有数の増加は、仮想通貨業界にとってセキュリティリスクの増加を招くのではという声も上がっている。実際に、コインベースのコールドウォレットが悪用された場合、多くのビットコインが危機に瀕することは明らかであり、その際にはビットコインの価格に大きな影響を与えることになるだろう。
ただし、コインベースは厳格なセキュリティプロトコルを維持しており、自らの弱点をチェックするためにハッキングテストまでも行なっていることから、ハッキングされる可能性は極めて低い。しかし、BlockchainResearchLabの研究者であるEliasStrehle氏は、コインベース の保有するBTCについて、次のように懸念点を指摘している。
1つの問題は、コインベースがそれらのビットコインを償還するのに苦労することです。つまり、彼らは保有するビットコインの枚数があまりにも莫大であるため、仮想通貨業界の分散化を損なう可能性があります。
コインベースのビットコイン保有数は、他のどの仮想通貨取引所よりもはるかに大きく、ChainInfoによるとコインベースが110億ドル相当のビットコインを保有しているのに対して、HuboiとBinanceはそれぞれ323,655(約37億ドル)、289,691(約33億ドル)のビットコインを保有しており、続いてKrakenは126,509(約14億ドル)のビットコインを保有しているとのことだ。
コインベースは今年の8月、仮想通貨のレンディングサービスを発表しており、米国の17の地域でBTC預金額の30%の借り入れが可能となっている。3,500万人ものユーザーを誇るコインベースが、このようなサービスを提供するにあたって、保有するビットコインの枚数を増やしているという背景もあるだろう。