グレースケール社が10億ドル以上の新規投資見込み
世界最大の仮想通貨資産運用会社と称されているグレースケール・インベストメント(GrayscaleInvestments)社が、2020年の第3四半期(Q3)に投資商品のための資金として、10億5,000万ドル(約1,100億円)を調達したと述べた。グレースケール社史の中で投資家からの最大の資金流入となり、3年連続で記録破りの四半期となった。
同社は14日(水曜日)に最新の投資活動レポートを発表し、第3四半期の投資の大部分である81%が機関投資家からのものである事を明かした。第3四半期の1週間の平均投資額はすべての製品の総計が8,000万ドルを超えており、毎週の平均投資額は、ビットコイントラストが5,500万ドル、イーサリアムトラストで1500万ドルとなっている。
投資の中で最もリードしていたのがGBTC(グレースケル・ビットコイントラスト:GrayscaleBitcoin Trust)社で、この四半期の流入額は7億2000万ドル(約758億円)弱となっている。
トラストは、運用資産が19億ドルから47億ドルに急増しており、グレイスケールビットコイントラストは償還プログラム(※1)を運営しておらず、その株式は国の証券取引所で取引されていないため、信頼はETP(Exchange Traded Products=上場取引型金融商品)またはETF(Exchange Traded Fund =上場投資信託)ではない。それでも、トラストを年初に10億ドルを超えるAUM(Assets under management=運用資産残高)を持つグローバルETPおよびETFと比較すると、AUMが約147%増加しており、3番目に急成長している商品YTD(Year to Date=年初来)としてランク付けされている。
(※1償還プログラムとは、満期を迎えた資金を、投資家に返還することを指す。)
ただし、他のグレースケール製品の需要も伸びており、第3四半期の流入の合計31%は、グレースケールビットコイントラスト以外の製品からのもので、Grayscale Bitcoin Cash Trust、Grayscale Litecoin Trust、およびGrayscale Digital Large CapFundで最も高い増加が報告されているとのことだ。
Grayscaleのイーサリアムトラスト(Ethereum Trust)はGrayscaleのビットコイントラストに次いで2番目の仮想通貨にスポットを当てた信託ファンドとして誕生している。2020年全体で見ると、グレースケールの投資は合計24億ドル(約2,527億円)で、2013年から2019年の7年間でグレースケール製品に投資された合計12億ドル(約1,260億円)の2倍に相当する。投資の大部分は引き続き機関投資家からのものであり、第3四半期の投資の80%以上を占めているのが現状だ。
グレイスケールビットコイントラストは、最も急成長している投資商品の1つで、2020年9月30日現在、同社の管理資産は合計で59億ドル(約6,200億円)を超えている。