スタバがサプライチェーンで農家から消費者をつなぐ
世界最大のコーヒーチェーン展開を今も続けているスターバックス(Starbucks)社が、マイクロソフト(Microsoft)社が提供するブロックチェーンベースのツールを使用し、豆が収穫される場所からそれらを使用して準備されるコーヒーまで、コーヒーのサプライチェーン全体を追跡可能にした。
アメリカのスターバックスアウトレットから購入したコーヒーバッグには、消費者が豆の起源を見つけるために使用できるQRコードが用意されており、スターバックスのバリスタからの醸造のヒントも読むこともできるという。また、農家には、生産した豆を追跡するためのコードも与えられており、どのような農場でコーヒー豆が栽培されたか、最終的に消費者がチェックすることも可能だ。
現時点では、このツールはスターバックス店舗から購入したコーヒーのみ、同サービスを利用でき、店舗外で購入したり、顧客が購入するすべての商品を利用することは現段階ではできない。
大手メディアのブルームバーグの報道によると、トレーサビリティは、10年以上にわたって行われているスターバックスの集中的なデータ収集によって可能になった。スターバックスの上級副社長であるミシェル・バーンズ(Michelle Burns)氏は、次のように述べた。
これにより、ユーザーフレンドリーで消費者主導のツールを構築するための基盤ができ、すべてのコーヒーの出所がわかるという、消費者に対し、信頼を確実に提供できる
使用されたMicrosoftソリューションについての言及はないものの、仮想通貨関連の大手メディアは、同社がAzure Blockchain Serviceを通じてサービスとしての主要なブロックチェーンプロバイダーであると述べている。ブロックチェーンは追跡のための優れたツールであるため、J.M。Smucker CoやJacobs Douwe Egbertsなどのコーヒーロースターが昨年、ブロックチェーンイニシアチブに参加し、豆の起源とサプライチェーンに沿った価格を追跡したと、ブルームバーグは報告している。
積極的に新技術を採用するスターバックス社
スターバックスでは、2019年6月に、マイクロソフト(Microsoft)社と共同で「Azure Blockchain Services」プロジェクトを発表している。同プロジェクトは、スターバックスのコーヒーを購入した消費者が、コーヒー豆を育てる農家から実際に自分の口に届くまで、いつ収穫し、いつ焙煎したのかなどをサプライチェーン追跡を可能にするもので、発表当時すでに試験運用が始まっていたことが発表されている。
また、スターバックスでは当時、「予測ドライブスルー注文」というプロジェクトがシアトルのスターバックストライアルセンターで試験運用されていたことでも注目を集めている。同プロジェクトでは、コーヒーメーカーやミキサーなど、店舗で使用する12以上の専用機器を、30,000店舗を超える核店舗でインターネットに接続して保護する目的て試験実施されている。
これらのことからも分かるように、スターバックスでは、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)やブロックチェーンなど、積極的に新技術を取り入れた事業展開を図っている。