オーストラリアのハッカー、10万XRP盗難で2年の禁固刑が下る

XRP盗難のハッカーに求刑が下される

2018年1月に10万XRP、およそ45万ドル(約4,800万円)相当の仮想通貨XRP(リップル)トークンを、ハッキングによって盗んだ罪に対し、裁判官はオーストラリア人女性キャサリン・グエン(Kathryn Nguyen)被告に、最高2年3カ月の禁固刑を言い渡した。

オーストラリアメディアInformation Ageの報道によると、グエン容疑者とその仲間が、グエン容疑者と同性の56歳男性が保有する仮想通貨アカウントに不正に侵入。2要素認証を携帯電話番号へ切り替えたうえで、被害者の保有する全ての仮想通貨を海外取引所へ送金し、ビットコインに交換して別のウォレットへ送金した罪に問われていた。

グエンの事件の裁判長を務めるクリス・クレイギー(Chris Craigie)裁判官は、グエン被告を刑務所に送り込むことは「困難で厄介な決定」であり、2021年10月に仮釈放の資格を有していると述べている。
その理由として、クレイギー裁判官は、同容疑者が本来真面目な性格であり、喜んで犯罪に加担している様には感じられず、犯罪に手を染める事によって道徳的判断が歪曲されたとみられるためだと述べている。

オーストラリア初の仮想通貨詐欺事件だった

グエン容疑者は、オーストラリア国内で初めて仮想通貨の盗難で起訴された人物として同国内外で大きな衝撃を持って報じられた。

当時、地元メディアはニューサウスウェールズ州警察サイバー犯罪チーム責任者のアーサー・カトソギアンニス(Arthur Katsogiannis)氏が非常に重大な犯罪で、オーストラリア初の仮想通貨詐欺事件だと語っていたことをこぞって報じている。

同容疑者がハッキングをしたのは、リップルが史上最高の3.84ドルに近い価格を推移していた時期で、いわゆる仮想通貨バブルの真っただ中に実行された犯罪で、現在の価値に換算すると、10分の1にまで価値が下がるという。同容疑者は盗んだXRPを中国系の仮想通貨取引所へ転送し、そこでビットコインと交換していることから、マネーロンダリング(資金洗浄)しようとしたとみられており、トークンを複数のウォレットへと送金していることが調査の結果判明している。

なお、地元メディアの7News Sydneyによると、被害者が被害を報告し、容疑者にたどり着くまで、オーストラリア当局は10カ月間の長い期間捜査を実施。2018年10月にようやくグエン容疑者が起訴され、その後罪を認めたため、2019年10月に特別審問が実施されている。また、同容疑者が利用した中国の仮想通貨取引所を管轄する中国当局は、被害に遭った仮想通貨のうち、およそ9,000ドルしか回収できなかったことが報じられている。

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