東京電力と伊藤忠が提携、ブロックチェーン活用で余剰電力を取引
東京電力ホールディングスは伊藤忠商事と連携し、家庭間の余剰電力を売買するシステムの構築に着手する。提携では発電量を制御できるAI搭載の蓄電池と太陽光パネルを家庭に設置するためのブロックチェーンベースのシステム構築を開始している。
ブロックチェーンベースのシステム構築及び、AI搭載の蓄電池と太陽光パネルについては地方自治体と協力し、2020年度内にも実証試験を開始。3年以内に実用化を目指しているという。もし実証試験が成功すれば、家庭間での余剰電力取引の最初の例になる。
今回の提携では、伊藤忠商事が東京電力グループの電力小売りスタートアップであるトレンディの第三者割当増資の引き受けと新株予約権付社債を取得。合計の出資額は10億円にのぼるようだ。新株予約権付社債を取得すれば出資比率は20%を超え同社は伊藤忠の持ち分法適用会社となる。
両者はAI搭載の発電機と消費量を管理することによって余剰電力をまとめた上で家庭間の売買を行う。また取引の安全性を確保するためにビットコインをはじめとする暗号資産の基盤となるブロックチェーン技術を活用。これら太陽光パネルとAI蓄電池は無料で提供されるようだ。現時点で電力小売りスタートアップであるトレンディは、太陽光パネルを家庭の屋根に無料で設置を行い、大手電力より最大で20%安く課金するサービスを実施しており、余剰電力についてはFITに基づいて電力会社に売却することで利益を上げている。