ロシアの郵便局長、違法なマイニング活動で逮捕
ロシア警察は、支店のコンピューターを使って暗号資産をマイニングした地方郵便局の元局長を逮捕した。
ロシアのネットメディアRNSによると、2019年9月以降容疑者はJSCロシア郵便の支店の電力ネットワークに暗号資産をマイニングするためのコンピューター機器を設置し、違法にマイニングしていたとのこと。その後容疑者は約半年間この機器を無断で使用したと報じられている。電力被害は3万ルーブル(約4万5千円)で、「職権乱用」の罪で起訴されたとRNSは報じている。
ロシア政府機関のコンピューターを使って暗号資産を違法にマイニングしたのは今回が初めてではない。2019年9月にもロシアの核弾頭工場で働いていたデニス・ベイコフ氏が、施設のスーパーコンピューターを利用してビットコインをマイニングしたことで、45万ルーブル(約75万円)の罰金が科せられた。
12月にも政府機関のコンピューターがマルウェアで乗っ取られ、違法なマイニングが行われたとして2名のロシア人が逮捕されている。また今年3月には、養鶏場や娯楽施設、住居などに特殊なマイニング施設を取り付け、毎月約2,000万円相当の電力を盗んでいた9人の容疑者が拘束されている。
暗号資産の発行や流通は禁止の流れに向かうか
ロシアでは昨年から暗号資産取引やマイニングにおける罰金や禁止する草案が出てきているが、未だ明確な規制がない状態が続いている。今後ロシアでの暗号資産規制がどのような方向性に進むのか定かではないが、今年に入りロシア連邦安全保証極(FSB)は、暗号資産を利用した決済を原則禁止し、取引については一部の取引所で認める方針を示してきている。
FSBはマイニングファームなど暗号資産関連の業務を、税収目的で一部合法化するような動きを示していたが、暗号資産決済に関しては、ロシア連邦中央銀行と意見がまとまったようだ。