テザーゴールドが、ゴールド価格と相関して増加
新型コロナウイルスなどの影響で世界経済は未曾有の大打撃を受けているが、仮想通貨市場も同じような状況にあり、トレーダーは安全資産の裏付けがあるステーブルコインに目を向けるようだ。CoinGeckoの調査によると、金とテザーゴールト(XAU₮)の価格に相関性の高まりを反映しているという。
CoinGeckoより画像引用
テザー社は米国ドルを裏付けとしたUSDTを発行しているが、2020年の1月頃から金を裏付けとしたXAU₮の運用を開始していた。2020年の第一四半期にはXAU₮の取引量が275%急増したが、流動性が低く金の価格に遅れをとっていた。しかし新型コロナウイルスなどの影響で市場が崩壊し始めると、トレーダー達は安全な資産に目を向けるようになり、金の価格との相関性が高くなった。
また、これはXAU₮と同様に金を裏付けとしているパクソス・ゴールド(PAXG)も同じような傾向にあったという。仮想通貨メディアAMBCRYPTOは、USDTやTUSDといった米ドルを裏付けとするトークンの供給量が5~10倍以上の取引が行われていたことから、市場のボラティリティーの高さがステーブルコイン市場への活性化に拍車をかけたのではないかと指摘している。
XAU₮はイーサリアムとトロン2つのブロックチェーン上で発行され、裏付けとなる金はスイスで保管されている。
金の裏付けをSNSで公開
テザー社が米国ドルを裏付けとするUSDTは1対1の割合で発行されているはずだが、十分な準備金が用意されていないのではないかという疑念が度々浮上している。そのためXAU₮についても金が本当に準備されているのか疑惑の声が上がっており、テザー社はSNS上で準備資産として保管している金の実物写真を投稿し、2月21日の時点で40本金の延べ棒を保管していることを報告した。
テザー社のCTOは u.todayとの取材で資産の多様化やヘッジ戦略にXAU₮が有効だと語り、情勢不安などの有事の際に資産を保護する役割を持つと語っていた。