北朝鮮、匿名通貨モネロ保有量が急増

北朝鮮、匿名通貨モネロ保有量が急増

サイバーセキュリティ会社Recorded Futureによると、北朝鮮に属するIPアドレスから発信されるMoneroネットワークトラフィックは昨年5月以来、約10倍ほどに急増していることが明らかになった。レポートによるとモネロは北朝鮮国内で最も人気のあるデジタル資産の一つであり、北朝鮮の政権はモネロの採掘事業を拡大しており、米国と国連の制裁を回避する狙いがあるようだ。

北朝鮮がこのようにモネロを好む理由として考えられるのは、モネロはビットコインなどのデジタル通貨とは異なり、通常のコンピューターのような特殊化されていないマシンでマイニングを行うことができる為、コストが削減できるという理由があるとみられている。さらに、モネロの取引は匿名化されるため、北朝鮮がモネロをなにに使用したのかを国連安保理や米国の政権によって追跡される心配がないことも挙げられている。

北朝鮮は仮想通貨の資金を核開発などの軍事費に利用しているという噂もあり、そういった面でモネロは北朝鮮と相性が良い通貨だと考えられる。

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2019.11.27

Record Futureのレポートは北朝鮮のビットコインマイニング活動が、約2年ほどなんの動きも見せていないことから、北朝鮮は2017年にビットコインの多くをモネロに交換して以来、モネロを使用していると推測している。また、北朝鮮のマイニング活動はプロキシIPによって隠されているため、アナリストはモネロのハッシュレートに対する国のシェアを掴みにくい状態になっている。

モネロのような匿名通貨が犯罪組織に利用されやすいことを考慮すると、匿名通貨が悪用されている実態をしっかりと考慮し、有効な対策を考える必要があるだろう。