イーサリアムハードフォーク、「ムーア・グレイシャー」が完了
仮想通貨イーサリアム が計画していたハードフォーク「ムーア・グレイシャー」のアップデートが完了した。予定していた実行ブロック9,200,000で有効化され、改善案「EIP-2384」で実行された。
ムーアグレイシャーのアップデートは、デフィカルティボム(難易度爆弾)と呼ばれるマイニングの難易度調整メカニズムの適用を遅らせるのが目的。約2年間のディフィカルティボムの影響を調整することで、2020年にイーサリアム 2.0で新たに採用予定のブロックチェーン「ビーコンチェーン」とハードフォークの時期をずらすことを目的としている。
デフィカルティボムをより詳細に説明すると、コンセンサスアルゴリズムを計算量で図る「プルーフオブワーク」(PoW)から、コインの保有率で決める「プルーフオブステーク」(PoS)に変更するハードフォーク時に、マイナーが古いPoWのチェーンに残るのを防ぎ、PoWからPoSへのスムーズな移行を可能にすることを狙いとしている。
度重なる延期の背景
これまで、このデフィカルティボムの仕組みが影響し、マイニングが難しくなり、チェーンが伸びなくなった状態の「アイスエイジ」が、複数回確認されており、1日当たりの報酬額などへの影響が見られていた。また、デフィカルティボムの適用により、ネットワーク上で新しいブロックを確認するのに必要な時間が増加。結果として、ブロック生成の遅延が発生していた。
ether nodes.orgのデータによると、イーサリアムネットワークでムーア・グレイシャーに対応しているクライアントは98%(1月3日午前9時時点)。残る2%にあたる66クライアントが、まだ対応できていない。今後は、当初イスタンブール2と称され、手数料の仕組みを変更するハードフォーク「ベルリン」、コンセンサスアルゴリズムをPoW方式からPoS方式へと移行する「イーサリアム 2.0」などが予定されている。