エストニア大統領、「リブラは通貨として成り立たない」
北ヨーロッパの共和制国家であるエストニアのカリユライド大統領は、フェイスブックが構想する仮想通貨リブラについて、「通貨として成り立たない」と指摘したことが日経新聞の取材によって明らかになった。
もちろん否定的な考えを持つのはフェイスブックのリブラだけではない。仮想通貨の代名詞であるビットコインについても、次のように考えを持っておる。
「通貨は他の通貨との為替レートを保つため、経済規模を正確に表す必要がある。」
デジタル国家「エストニア」について
今回、カリユライド大統領は日本を訪問した際、日経新聞はカリユライド大統領の取材に応じた。インタビューでは、仮想通貨のボラテリティの高さやマネーロンダリングに使用されるリスクがあると指摘。また、エストニアがブロックチェーン技術を活用した行政のデジタル化を進める一方、デジタル通貨への否定的な考えを持っていることを主張している。
実際にエストニアは既に、新規の住民登録や納税など、様々な行政手続きをデジタル化している。驚きなのは非居住者が、デジタル上で国民になれる「e―レジデンシー制度」も導入しているのだ。
現状のデジタルシステムが構築されているなかで、突如として話題になったデジタル通貨へ否定的な考えを持つことは不思議ではない。しかし冒頭でもあったように、ブロックチェーン技術を活用した行政のデジタル化を進めているのも事実だ。
既存のデジタルシステムに、ブロックチェーンを導入し、さらなる安全性とコスト削減が実現する日も遠くはない。