京都大、XRPレジャーのバリデータ運用を開始
京都大学が、米リップル社によって開発された分散型台帳であるXRPレジャーのバリデータの運用を始めたことを、同社の吉川絵美氏がツイッター上で明らかにした。日本の大学によるバリデータの運用は初めてという。
XRPレジャーは、異なる台帳間の取引を可能にする国際標準規格であるILP(インターレジャープロトコル)を基盤にした分散型台帳。同台帳上での仮想通貨の送金を低コストで迅速に、消失リスクに悩まされることがない仕組みを整えるため、複数の企業や学術機関が参加し、トランザクション(取引)の管理、ネットワークの承認を行なっている。
京都大がXRPレジャーのバリデータを運用する利点
京都大がXRPレジャーのバリデータを運用する利点は、同台帳の安定化が促されることにある。バリデータは、取引が正規かどうかを計算を行い、取引の乱用や二重支出を防止するもの。国内最高峰の学術機関がバリデータ運用に参画することで、分散化されより安定したXRPレジャーの構築に繋がる可能性がある。
XRPレジャーは特定の企業や機関に運用権限が集中し、悪意のあるノードに取引を操作される危険性が示唆されているが、京都大が新たなノードとなって、そうしたリスク低減を図ることも可能になりそうだ。吉川氏は、京都大参加のインターネット普及の流れを引き合いに、京都大参加の意義を次のように述べている。
「インターネットが大学ネットワークを繋ぐために草の根的に広がっていき、安定的なネットワークの基礎となったのと同じように、ブロックチェーンにおいても、中立的な存在の大学組織がバリデータとなって安定的で健全なネットワークの核となっていくことは非常に重要だと思います。」
京都大は以前からリップル社の事業への親和性があり、2019年7月29日には東京大とともに、リップル社が展開する大学ブロックチェーン研究イニシアチブ「University Blockchain Reserch Initiative(UBRI)」に参画。学術研究・技術開発・ブロックチェーンの革新・仮想通貨・デジタル決済のさらなる発展に向け、両大で連携しながら、取り組んでいる。
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