フランス中央銀行、デジタル通貨実装を視野に入れ専門人材を募集

フランス中央銀行、デジタル通貨実装を視野に入れ専門人材を募集

フランスの中央銀行「バンク・ド・フランス」が、デジタル通貨の実装に向けた定義を作成するため、ブロックチェーンアナリストという専門人材の募集を行っている。求人は10月16日に投稿され、金融安定と財政運営部門で仮想通貨経済、ゲーム理論、パブリックあるいはプライベートチェーンの知見を持つアナリストを求めている。

また募集人材はアナリストだけでなく、ブロックチェーンを主要な銀行機能へ適用できるかどうかを研究する開発エンジニアも募集している。なお、求人で求めるアナリストの知見として、管理主体が単独のプライベートブロックチェーンであれば、QuorumとHyperledger、Cordaを求め、管理者不在のパブリックブロックチェーンであれば、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを挙げている。

アナリストの募集については、ブロックチェーン実装により発生する経済的問題を特定するためだ。具体的には、銀行の内外を問わず、そのほかのブロックチェーン・プロジェクトなどと協力しながら、ユーロシステム内でブロックチェーンの実証実験を行い、問題の想起に努める考えである。

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ブロックチェーン領域への挑戦

バンク・ド・フランスは以前から、ビットコインだけでなく、ブロックチェーンに焦点を当ててきた。2016年12月には、ユーロ決済エリア内で、債権者の身元を確認するために使用される識別管理システムで、ブロックチェーンを利用して試行試験を実施。その後、同行の知事は、金融とITが融合したフィンテックのイノベーション推進に向け、専門の研究所を開設した。

一方で、ビットコインの基礎となるテクノロジー、ブロックチェーンに関心があるにも関わらず、同行は2018年3月、保険会社と銀行会社、信託会社が仮想通貨に触れることを禁止することを提案している。ただ、同行は最近、フェイスブックが主導する仮想通貨プロジェクトのリブラに対する危機感もあり、デジタル通貨を含めた、包括的な仮想通貨への認識を変えつつある。

10月15日にロンドンで行われた公的通貨金融機関フォーラムのスピーチで、同行のデニス・ボー副知事は、仮想通貨資産に対する世界的な規制の枠組みを求めながらも、ブロックチェーンを用いたデジタル通貨について「発行を検討する価値はある」と強調していた。

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