BitMEXアーサー・ヘイズCEO、「ビットコインは2万ドルに備える」
2019年9月18日、BitMEXのCEOアーサー・ヘイズ氏がツイッターで「QE4が再開されるだろう。連邦準備制度理事会(FRB)の緊急処置によってビットコインが2万ドルに達する準備をしてください」とツイート。QEは量的金融緩和政策のことで、アーサー氏は、2013年1月から始まって2014年10月に終了したQE4が再臨すると考えているようだ。
QE4eva is coming. Once the Fed gets religion again, get ready for #bitcoin $20,000. https://t.co/gCBgaernYv
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) September 18, 2019
事の発端は今月16日、米国の短期金融市場のひとつレポ市場で金利が高騰したことによる。高騰の理由自体は、四半期の法人税納付や国際入札決済による資金調達のためであり、偶然にもこのような事態が重なっただけで、金融危機などではないとされる。ただ、この事態によって、政策金利を大きく超えてしまったため(REUTERSによれば最大で10%)、FRBが資金供給を行わざるを得なかった。市中に出回るお金が増えれば金利は下がるという仕組みだ。
資金供給がなぜ問題視されるのか
米国において、金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)ではフェデラルファンド(FF)金利が用いられることから、重要な意味を持つ短期指標金利となる。そしてこのFFレートが上昇したことでFRBが資金供給を行ったのだが、これが2008年9月のリーマンショックの後に実行されたQE1以降、大規模なものになったからだ。このため「QE4再開か!?」と世間がざわついている。また、ブルームバーグの記事によれば、バンク・オブ・アメリカの米国金利責任者マーク・カバナ氏は「FRBは資金調達を制御できなくなっている」と指摘。
もうひとつの注目点
2008年以降に量的緩和政策を行ってきたのは米国だけではない。当時の世界金融恐慌の衝撃を未だに世界中が引きずっている。金利が低下すれば、不換通貨(金などに価値が保証されない法定通貨)の価値も下がる。ここが最大のポイントだ。そうなれば当然、投資家や資産家は安全資産へと資金を移す可能性が高くなる。以前なら金が買われだが、今ではビットコインもその対象となる。だからこそヘイズ氏は度々ビットコインが2万ドルになると強気な予言をしている。
日本であれば、法定通貨円は最も安心して保有できる資産だろう。だから円はよく買われる。だがそれすらも不安になればどうだろうか。ただし、金融市場に大きな影響を与えるFOMCのさじ加減によって米国経済が安定・成長するなら、ビットコインの出番はなさそうだ。