11月16日(金)に「psalm」主催の確定申告サポートを行うセミナーが実施され、各メディアの方々やインフルエンサーなどが集まりました。
去年、かなりの価格上昇を見せた仮想通貨市場で、かなり利益が出た方はたくさんいると思います。その中で税制面がはっきりと決まっておらず、確定申告に困った方も多いと思います。
今回の「Guardian」では、その確定申告を容易に行えるサービスを展開しています。
開場のあいさつ・沼澤氏紹介とエアリアル・パートナーズ社の説明
今回のセミナーの目的として、会社員の方などが最初につまずきやすい、確定申告についての基礎部分を理解すること。
仮想通貨にまつわる税制、損益認識ポイントについて知り、申告者が抱えている問題が何なのかを知る。
「Guardian」で確定申告を簡単に行う方法を知る。
目的として以上のことを挙げられました。
沼澤氏は仮想通貨取引記録支援及び税理士紹介を行う「Guardian」を提供する株式会社Aearial Partners代表取締役であり、Twitterの暗号通貨アカウント「2匹目のヒヨコ」の中の人です。
また、一般社団法人 日本仮想通貨税務協会(JCTA)の理事も務められています。
沼澤氏は、去年よりエアリアル・パートナーズを設立し、仮想通貨ユーザーを税制面からサポートしています。
仮想通貨の確定申告について
そもそも確定申告とは、個人または法人の1年間の所得を税務署に申告し、税金の納付や還付を行う手続きのことです。
個人は、1月1日から12月31日までの所得に対して、2月18日から3月15日までに確定申告の手続きを行います。
確定申告が必要になる条件として
・個人事業主である
・給与所得が2000万円を超える場合
・給与以外に20万円を超える所得がある場合(仮想通貨での利益はここに該当します)
・2か所以上から給与を受けていて一定の所得がある場合
などが挙げられます。
仮想通貨での所得が20万円以上ある場合、確定申告をして納税する義務が発生します。これを怠るとペナルティが発生します。税務調査が入り、悪質だと判断されると重加算税、延滞税を合わせて納税額の2倍を払わなければならないケースもあります。
仮想通貨投資による所得があると、税務調査の対象となる可能性が高いとも言われているようです。
去年は納税日に下落して納税が行えなかった投資家も多数存在し、税務調査は後を絶たないようです。
税務上は利益確定の以下のタイミングで税金が発生します。
・仮想通貨を日本円に交換
・仮想通貨同士の交換
・商品購入時に仮想通貨を使用して決済を行う。
・マイニングにより通貨を取得
・ICOへの参加
・エアドロップの受け取り
その他、ハードフォークによる分裂により取得した仮想通貨は、取得原価0として認識します。また、取引所からのハッキングによる補償で得た日本円についても、換金したことと同様の扱いになります。
所得区分は雑所得に分類されるため、損益通算はできません。
このようなルールの中で、確定申告が難しい理由として
・取引所、ウォレットがたくさんある(平均6つ)
・取引方法がたくさんある エアドロップ、マイニング、取引マイニングなど
・仮想通貨同士の取引に関して、円換算が難しい
このような理由から確定申告が難しくなっているとのことでした。
また、損益通算に必要なこととして、
・取引履歴を網羅的に収集する
・収集した取引履歴を仮想通貨ごとに時系列順に並び替える
・それぞれの取引形態に応じて適切な形式で損益計算を行う
以上のようなことが必要となるそうです。
Guardianのサービスについて
申告支援サービス「Guardian」では、面倒な仮想通貨の損益計算から確定申告までをフルサポートしてくれます。
特徴としては、仮想通貨の税務知識に精通した税理士を紹介することができ、必要書類の提出からサービス完了までをすべてオンラインで行うことが出来るため、どこからでも利用が出来ます。
そして、国内外問わず、取引履歴をcsvファイルまたは表計算ファイルで提出できる取引所・取引について固定料金で対応してくれます。また、全取引所、全取引に対応しています。
料金
・計算 80,000円
複雑な仮想通貨に関する損益計算をお願いするプランです。確定申告書類は自身で作成します。
・申告 50,000円
仮想通貨に関する損益計算は自身で行い、確定申告書類の作成を税理士にお願いするプランです。
・おまかせ 118,000円
複雑な仮想通貨に関する損益計算及び確定申告書類の作成を税理士にお願いするプランです。
・顧問 3か月 148,000円 半年178,000円 年間238,000円
仮想通貨に関する確定申告書作成支援のみではなく、税理士に対して日常的に税務相談も行えるプランです。
他の税理士におまかせプランで依頼すると平均250,000円かかります。費用を半額以下に抑えることが出来ることが「Guardian」の強みであると言えます。
ポイン氏と沼澤氏のトークセッション
著書を執筆し、最近では顔出しをして、話題になっているポイン氏と沼澤氏によるトークセッションが行われました。
まずはガーディアンを始めた理由について、ポイン氏から質問がありました。
理由として、去年5月から価格の上昇と税務署の動きから税務に危機感を感じ、ツイッターを通じて、DMでの対応をしたのが始まりと述べられました。
ポイン氏は去年の確定申告でガーディアンを実際に使用しており、「ガーディアンを使ってもかなり大変であり、使わなかったらほとんど出来ていない。」と言うほど確定申告は大変であったそうです。
今後の課題については、国内取引所が全て履歴を集めなければならなく、参照系のAPIを全て開けている取引所がないので、全て自動化することがまだできない。また、サードパーティが全ての事業者とコネクトして、日本国外の取引も把握する必要があるという見解を示しました。
今後の注意点として、相場が下がっていて、マイナスだと思っても去年保有していた通貨を利益確定した場合は課税対象になることがあるそうです。つまり、感覚的には、マイナスであっても実際は課税されている場合があるということです。
質疑応答
・クリプタクトとの違いについて
去年のマーケティング方法が違い、対応している取引所の数も異なる。また、ガーディアンは個人向けであり、仮想通貨以外の税務にも対応している
・去年の対象者は?
トレードを頻繁に行い、多数の取引所を使用している人。面倒くさがり屋など。
・依頼が増加する時期
年末年始に駆け込む人が多い
・ステーブルコインの税務面について
基本的にステーブルコインもビットコインなどと変わらない。法律面では異なる場合があるが、税制面では同じ扱いになる。