Zcash共同創業者、1億2,500万ドル規模の助成金(ZCG)支給停止と資金の準備金回しを提案

巨額の未消化資金と持続可能性メカニズムへの転換

ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)の共同創設者であり、ECC(Electric Coin Company:エレクトリック・コイン・カンパニー)の研究者を務めるショーン・ボウ(Sean Bowe)氏は、ブロック報酬の8%をZCG (Zcashコミュニティ助成金)へ自動分配する仕組みを廃止し、その資金をNSM(ネットワーク持続可能性メカニズム)へ振り向けるZcash改善提案(ZIP)の草案を公開した。

日本語訳:
ZCGの資金提供の流れを止める時が来ました。
ZCGは1億2500万ドル以上の資金を集めており、蛇口が閉まる前にさらに数百万ドルを受け取ることになるでしょう。このプログラムは、この規模の資金を扱うようには設計されていませんでした。

同氏の指摘によると、ZCGのトレジャリーには現在、約91,450 ZECおよび880万ドル(約14億円)の現金を含む1億2,500万ドル(約197.3億円)相当を超える巨額の資金が蓄積されている。

現行では毎日約144 ZECが新規追加されており、2028年の資金供給終了までにさらに大量のコインが割り当てられる見込みで、同氏は「当プログラムはこれほど多額の資本を管理する設計になっていない」と主張。新規流入のストップを呼びかけている。

今回の提案では、これまでZCGへ自動流入していた8%分を流通から一時隔離し、2031年2月以降の将来的なマイニング報酬として段階的に再分配するNSMへと移行させる。これにより、既存の助成金プールを奪うことなく膨張するトレジャリーの圧力を緩和し、トークンノミクスの安定化を図る狙いがある。

ガバナンスの懸念と開発者のインセンティブ改革

この見直し提案の背景には、多額の未消化資金が引き起こすガバナンスと資本効率上の問題がある。

わずか5名で構成される委員会が1億ドル(約157.8億円)以上の公共資産を管理し、個々のコイン保有者による直接投票を経ずに助成金を割り当てる体制に対し、決定の政治化や説明責任の欠如を危惧する声が強まっていた。また、市場への売却圧力やインフレ懸念に加え、継続的な資金提供が開発者の自立的なビジネス構築意欲を削ぐという懸念も指摘されている。

一方でコミュニティ内では賛否が分かれている。手厚い助成金制度は優秀なクリエイターを引きつける強力な動機付けであるとして反対する意見や、コイン保有者が直接投票できるプロセスの導入を求める声も上がっている。また、ZODLのジョシュ・スウィハート(Josh Swihart)氏のように「12%分のコイン保有者管理ファンドも同時に停止すべきだ」と主張する開発者も存在する。

既存プールによる継続的支援と今後のロードマップ

今回の提案は、ZCGがすでに保有している1億2,500万ドル規模の資金枠を凍結するものではない。ボウ氏の試算によると、仮にZEC価格が500ドル程度まで下落したとしても、蓄積済みの準備金のみで今後5年間にわたり年間1,000万ドル規模の開発支援を十分に賄うことが可能だという。

なお、この提案は11月5日に予定されているNU7(ネットワークアップグレード7)には含まれておらず、コミュニティによる継続的な審査を経た上で、将来的なハードフォークを通じて適用される見通しだ。

 

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