CFTCがPolymarketに対して再調査を開始
CFTC(米国商品先物取引委員会)が、暗号資産を活用した大手予測市場プラットフォームPolymarket(ポリマーケット)に対する新たな調査を開始したことが明らかになった。
同社が2022年に連邦当局と締結した和解条件を遵守し、米国人居住者の取引アクセスを適正に遮断しているかが改めて精査されている。2024年の米大統領選などをきっかけに同プラットフォームの認知度が世界的に高まる中、規制当局からの法的圧力が再び強まっている。
2022年の和解合意とオフショア制限の形骸化疑い
Polymarketは2022年1月、CFTCの許可を受けずにバイナリーオプション取引を提供したとして、140万ドル(※現在レートで約2.2億円)の制裁金を支払い和解した経緯がある。その際、同社は規制に適合しない市場の閉鎖と資金返還を実行し、海外法人(パナマ登記)を介して運営するメインプラットフォームから米国居住者を完全に遮断(ジオフェンシング)することに合意していた。
しかし、2024年の選挙シーズンに伴い取引が急増する中で、米国人トレーダーがVPN(仮想プライベートネットワーク)などを駆使して制限をすり抜けているとの懸念が表面化。ロイター通信の報道によると、CFTCおよび米国司法省は2025年7月に一度調査を終了させていたものの、地理的制限措置の実効性やコンプライアンス体制、米国向け広告活動に疑問が拭えないとして、再調査に踏み切った模様だ。
同社側は、機械学習やブロックチェーン分析を組み合わせた高度な監視システムを導入し、VPNによる回避行動や不審な口座を継続的にブロックしていると主張する。だが、4月には米軍兵士がVPN等の回避ツールを利用して40万ドル(約6,300万円)規模のインサイダー取引を行った容疑で起訴されるなど、アクセス制限の穴を突く不正利用の実態が浮き彫りになっている。
米国内での事業拡大と広がる規制・監視の目
今回の再調査は、単なるWebサイトへのアクセス制限にとどまらず、同社が推進する米国正規市場への進出戦略にも影響を及ぼしている。
Polymarketは2025年にCFTCライセンスを保有するデリバティブ取引所を買収し、海外向け取引所とは切り離された米国専用の合法プラットフォーム立ち上げを進めてきた。規制当局は、この米国向けサービスにおける顧客認証(オンボーディング)の手続きや個人投資家保護のあり方についても厳しい視線を注いでいる。
さらに、監視の網は同社のマーケティング手法にも及んでいる。ソーシャルメディア上でのインフルエンサーを用いた宣伝手法や、プロモーション動画の開示プロセスの妥当性について、米国上院議員らがCFTCに監督状況の報告を要求。ニューヨーク市議会も消費者保護の観点から調査に乗り出しており、多方面からの圧力が強まっている。
今回の調査開始は直ちに同社の違法行為や法的処罰を認定するものではない。しかし、大手取引所グループからの巨額資金調達などを経て急速にスケールアップしたPolymarketにとって、連邦規制にどこまで完全準拠できるかが、今後の事業継続に向けた最大の試練となっている。
























