Robinhood Chain、DEX取引量が16億ドルに急増
Arbitrum(アービトラム)の技術基盤を活用して7月1日に正式ローンチされたイーサリアム・L2(レイヤー2)ネットワークRobinhood Chain(ロビンフッドチェーン)が、暗号資産業界でDEX取引量が急増している。
DeFiLlama(ディーファイラマ)の各種データによると、同ネットワーク上の主要指標がわずか数日で大幅な伸びを記録し、競合する大型ブロックチェーンを脅かすパフォーマンスを見せている。
Robinhood Chain上のDEX(分散型取引所)における1日あたりの取引ボリュームは、8月28日時点の9億8,900万ドル(約1,560億円)から9月1日には15億9,500万ドル(約2,516億円)へと、わずか数日で約61%の急増を記録。7日間の累計DEX取引高についても、前期比約79%増の約61億6,000万ドル(9,717億円)に達し、ネットワーク立ち上げから約2カ月という短期間で異例の成長速度を見せている。
DeFi(分散型金融)領域への資金流入も堅調だ。9月1日時点で、DeFiプロトコルへの預け入れ総額(TVL)は約7億3,800万ドル(約1,163.7億円)、ステーブルコイン保有額は約7億9,700万ドル(約1,256.6億円)に達した。メインネット開始初期の7月時点と比較すると、TVLは実に約8倍、ステーブルコイン時価総額も約3倍に拡大。さらに無期限先物の1日あたり取引高は3億5,300万ドル(約556.5億円)、ネットワークにブリッジされた資産総額は25億ドル(約3,942.5億円)を超えるなど、エコシステム全体が急速に厚みを増している。
24時間アプリ収益で266万ドルを達成、EthereumやHyperliquidを凌駕
ネットワーク活動の活発化は、オンチェーンのプロトコルが生み出す収益にも明確に表れている。8月31日の24時間データにおいて、Robinhood Chain上の分散型アプリ(dApps)が生み出した「アプリ収益」は約266万ドルに達した。
この実績は、同期間におけるHyperliquid L1(約170万ドル:約2.7億円)やイーサリアム(Ethereum、約128万ドル:約2億円)を上回り、ソラナ(Solana、507万ドル:約8億円)に次ぐ市場第2位の規模に浮上したことを意味する。
なお、アプリ収益は稼働プロトコルが得た手数料であり、運営元のRobinhood Markets(ロビンフッド・マーケッツ)社が直接獲得した収益ではないが、同チェーン自体のガス代(純収益)も同日中に約49万5,000ドル(約7,800万円)から96万ドル(約1.5億円)規模を計上している。
ただし、この1日における収益の約88%は、Telegram(テレグラム)取引ボット「GMGN」(約80万ドル:約1.26億円)、独自の取引プラットフォーム「Pons」(約63万ドル:約1億円)、そしてUniswap(ユニスワップ、約23万ドル)という上位3つのアプリに集中している。
また、30日間の累計アプリ収益で見るとHyperliquid(5,341万ドル)やEthereum(4,580万ドル)が依然として上回っており、一過性の急増であるか見極める必要がある。
成長を牽引するのはミームコイン、本命RWA構想とのギャップも
Robinhood社は本ネットワークを、金融サービスや株式のトークン化をはじめとするRWA(現実資産)の取引インフラとして位置付けている。すでに海外ユーザー向けに株式トークンや無期限先物取引の提供を開始しており、株式トークンDEXの累計取引高も15億ドルを突破した。
しかし、足元で発生した爆発的な取引量や収益急増の主因は、株式トークンではなく投機的なミームコイン(Memecoin)の取引フローによるものだ。取引ボットやローンチパッド(Pons)を介したミームコイン取引が熱狂を帯びており、ヴラド・テネフ(Vlad Tenev)CEO(最高経営責任者)も「ミーム領域でも最適に機能する」と言及するなど、実態として投機マネーが初期成長を支える形となっている。
さらに、株式トークンなどの主力RWAプロダクトが現在米国居住者に提供されていない点も課題だ。同社のコア収益基盤である米国ユーザーとブロックチェーン上のRWA機能が分離した状況が続いており、ミームコインによる一時的なブームを超えて、本来のRWA需要で持続的な成長を描けるかが今後の焦点となる。
























