Krakenが制裁対象HTXウォレットからの大量送金を制限
大手暗号資産取引所Kraken(クラーケン)において、顧客のアカウントが一時的に利用制限される事態が発生した。
背景には、制裁対象となっている暗号資産取引所HTX(旧Huobi:フォビ)関連のウォレットから、1万2,000件に及ぶ微量の暗号資産が送金された事実が存在する。問題となった取引は8月17日から24日にかけて実施された。
Kraken側は今回の事象について、多数のアドレスに微量の暗号資産を送りつける「ダスト攻撃」の手法が悪用されたと分析。通常、この攻撃はユーザーの匿名性を解除して資金移動を追跡する目的で行われるが、今回は英国やEU(欧州連合)の制裁下にある資金を他社プラットフォームへ送り込むことで、自動的なコンプライアンスチェックや口座ロックを誘発し、暗号資産業界全体の信用低下や業務妨害を狙ったとみられている。
同様の送金トラブルは今月に入りバイナンス(Binance)でも確認されているほか、過去には2022年に米当局の制裁対象となったTornado Cash(トルネードキャッシュ)から著名人へ意図的に暗号資産が送付された事例も報告されている。
各社の対応とArkhamの指摘
ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligence(アーカム・インテリジェンス)によると、今回の送金元アドレスはHTXが「準備金証明」として開示したデータと一致している。
ただし、送金時点でHTX側が対象ウォレットを実質的に管理していたかは不確定であり、HTX自体も送金の事実を否定した上で詳細な調査を進める姿勢を示している。なお、HTXはロシアに対する制裁回避へ関与したとして、今年7月にEUから制裁対象に指定されていた。
Krakenの広報担当者によると、コンプライアンスチームの迅速な対処により、制裁対象資金の隔離を維持しつつ、巻き込まれた顧客アカウントのアクセス権はすでに復旧済みとのこと。同社は犯行の背景にある人物の特定には至っていないものの、意図的な妨害工作の影響を最小限に抑えるべく、関係当局と連携して捜査を進めている。
























