アルゼンチンで仮想通貨に対する警告が発表される
5月20日、アルゼンチン中央銀行(BCRA) とCNV(アルゼンチン証券取引委員会)が、仮想資産の使用と投資に伴うリスクと影響について警告する共同声明を発表していたことが分かった。
BCRAとCNVは、アルゼンチン国内の仮想通貨使用率が高くないことに注意し、仮想通貨に対して予防的な態度を取る必要があることを認識していると表明。また、ユーザーと投資家が、急速な開発と仮想通貨への関心の高まりによる脆弱性の潜在的な原因を軽減するため、慎重なアプローチをとることを推奨している。声明は、すべてのトレーダーに対し、仮想通貨および仮想通貨取引きに関連するリスクを理解し、評価するために十分な情報にアクセスする必要があると指摘し、次のように注意喚起している。
仮想通貨は法定通貨ではない
支払い手段または投資目的での使用を目的とする仮想通貨は、法定通貨または譲渡可能な所有権と見なされるために必要な条件を満たしておらず、中央銀行または政府当局によって発行または承認されていない。
ボラティリティが高い
仮想通貨価格は短期間で大幅に変動する可能性があり、投資されたすべてのリソースを失う可能性など、所有者に大きな経済的損失をもたらす可能性がある。他の資産などと比較して価値を維持するように設計されているため価格のボラティリティが高く、法定通貨でのサポートのレベルもさまざまである。また、世界的な有害事象の発生によって影響を受ける可能性がある。
運用の混乱とサイバー攻撃
仮想通貨取引所や保管プラットフォームは、運用の中断に直面する可能性があり、その間、ユーザーは保有資産にアクセスできなくなる恐れがある。経済的損失につながる可能性が大いにある状況に加え、これらのプラットフォームは、サイバー攻撃の標的になる可能性があり、それらを回復できる可能性はない。
安全対策の欠如
仮想通貨ウォレットに登録された残高には、預金保険も、現在の規制が金融サービスのユーザーに提供する安全対策もない。現在、アルゼンチンには、銀行または投資サービスの規制によって提供される保証のいずれかを取得または所有できる仮想通貨またはトークンはない。
詐欺や不完全な情報と透明性の欠如
仮想通貨サービスプロバイダーが提供する情報は、複雑かつ不完全である可能性があり、ユーザーや投資家が直面するリスクを適切に開示していない可能性がある。
マネーロンダリングおよびテロ資金供与のリスク
仮想通貨には、マネーロンダリングおよびテロ資金供与のリスクや為替規制の不履行の可能性がある。また、基盤となる技術に関連した潜在的リスクについて警告する必要がある
事業の国境を越えた性質
仮想通貨関連事業は場合によってはアルゼンチンに設立されておらず、問題が発生した際には、アルゼンチンの裁判所および当局の管轄外になる可能性がある。
アルゼンチンで仮想通貨取引きは禁止されていない
アルゼンチン国内においては、仮想通貨取引きは禁止されておらず、厳しく規制もされていない。
また、仮想通貨関連の法的枠組みについても制定されておらず、主に報告と税制に関連する非常に具体的な規制がいくつかあるのみだ。しかし、最近、アルゼンチンで仮想通貨を制度化および規制することを目的とした 2 つの法案がアルゼンチン議会に提出されている事で、同国内の仮想通貨関係者やトレーダーが今後の行方に注目している。
高い変動性にもかかわらず、仮想通貨はすでに金融市場の一部となっており、最近の仮想通貨価格の急落は、消費者保護と金融の安定性を視野に入れた規制機関による世界的な監視の高まりによる影響が少なからずあり、最近、世界各国もアルゼンチンと同様の警告とさらなる規制や禁止を発表している。