MetaMaskがステーブルコインの利回り運用とカード決済を一本化したマネーアカウントを開設

MetaMaskがマネーアカウントを開設

大手暗号資産ウォレットのMetaMask(メタマスク)が、ステーブルコインの運用と日常の決済をシームレスに繋ぐ新機能マネーアカウント(Money Account)をリリースした。

これまで複数のツールやDeFi(分散型金融)プロトコル間を移動させる必要があった「増やす」と「使う」のプロセスが、単一の自己管理型ウォレット内で完結することになる。マネーアカウントはモナド(Monad)を基盤としており、2025年9月にローンチされた独自ステーブルコインのメタマスクドル(MetaMask USD/mUSD)を軸に構築。ユーザーは対象チェーン上で、手持ちのUSDコイン(USDCoin/USDC)、テザー(Tether/USDT)、ダイ(Dai/DAI)といった主要ステーブルコインから、手数料なしで1対1でmUSDへ変換することが可能だ。

資産を保持するだけで最大4%の利回り

マネーアカウントの最大のメリットは、ウォレットに資産を置いておくだけで最大4%の変動APY(年利)を受け取れる、この利回りはステーブルコインの発行元が直接付与するものではなく、外部のDeFiレンディング(貸付)戦略によって生み出される。

ユーザーの預金は、DeFiインフラ企業であるVedaの金庫インフラを経由し、ローンチ時にはMorpho(モルフォ)、将来的にはAave(アーベ)といった信頼性の高いプロトコルへ送金されて運用される。なお、mUSDの価値を1対1で裏付ける米ドルや短期国債の保有(Bridge側)と、利回りを生成するシステムは完全に分離されており、安全性を考慮した設計となっています。

Mastercard対応カードでそのまま店舗決済へ

こうして運用のために預け入れた残高は、Mastercard(マスターカード)に対応した「MetaMaskカード」と直結している。

ユーザーは利回りを得ながら、いつでもその資金をそのまま日常の買い物やサービスへの支払いに充てることができる。アカウントへの資金追加は、前述のステーブルコインの変換だけでなく、デビットカードやクレジットカード、Apple Pay、または対応する法定通貨入金サービスを通じても行える。

規制への対応と広がる機能

マネーアカウント自体はKYC(本人確認)を必要としないが、カード決済や法定通貨の入金といった規制対象サービスを利用する際には、第三者機関による認証が求められる。

現在、利回り型ステーブルコインを巡っては、米国のCLARITY法案やGENIUS法案などで議論が続いており、英国、EU(欧州連合)加盟国、制裁対象地域を除く世界展開も各国の規制動向に配慮した形となっている。

MetaMaskは近年、AIエージェント向けウォレットの導入や、米国株・ETF(上場投資信託)といったトークン化された伝統的資産の取り扱いなど、一般消費者向けのインフラを急速に拡充させており、今回のマネーアカウントの開設によって、Web3時代の「新しい普通預金口座」としての立ち位置をさらに強めている。