SECが欠席判決で540万ドルを勝ち取りナノビット仮想通貨詐欺事件が終結
SEC(米証券取引委員会)が、架空の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム「NanoBit(ナノビット)」を運営していた詐欺グループに対し、540万ドル(約8億6,000万円)を超える支払いを命じる最終判決を勝ち取ったことが明らかになった。
ニューヨーク東部地区連邦地方裁判所が下したこの判決は、被告側が出廷しなかったことによる欠席判決であり、SECが近年警戒を強める関係投資詐欺への重要な一撃となる。この詐欺スキームは、SNSを通じて一般の投資家に近づき、時間をかけて信頼関係を築くことから始まる。2023年から2024年にかけて、少なくとも18人の投資家がこの罠にかかり、深刻な金銭的被害を受けた。
・SNSからの誘導
Instagramなどのプラットフォームでターゲットに接触した後、暗号資産の運用を話し合うため、WhatsAppグループチャットへと引き込む。
・偽りの安心感
グループ内では金融専門家を名乗る人物がNanoBitを推奨。同社の関連法人がSECに正規のブローカーとして登録されているという真っ赤な嘘や、架空のICO(新規仮想通貨公開)を持ちかけて投資家を安心させる。
・ダッシュボードの改ざん
投資家が専用プラットフォームに入金すると、画面上には資産が順調に増えているかのような偽の利益ダッシュボードが表示される。しかし、実際には一切の取引は行われていない。
投資家が利益を手にしようと資金の引き出しを要求すると、高額な手数料を請求されたり、不自然な理由で拒否されたりした。集められた暗号資産や資金200万ドル以上(約3.25億円)は、香港の銀行口座などを含む海外へと不正に流用されていた。
容疑者に下された重い罰金
裁判所は、詐欺に関与した4つの法人と2人の個人に対し、証券関連業務を永久に禁止する命令を下すとともに、多額の民事制裁金や不正利得の返還を命じた。
NanoBit Limitedに対して裁判所は、民事制裁金として118万ドル(約1.9億円)、不正利得返還約53万ドル(約8,600万円)、利息約8万ドル(約1,300万円)の計約180万ドル(約2.93億円)。Radiant Horizons、Sweet Karma、Zhao Deliの関連3法人に対し、それぞれ118万ドル(約1.92億円)の民事制裁金。主犯格の個人2名に対してそれぞれに制裁金や不正利得の返還命令。
拡大する「関係投資詐欺」にどう立ち向かうか
SECが暗号資産分野における「関係投資詐欺(SNSやチャットで人間関係を構築して騙す手口)」に対して本格的な法的措置を講じたのは、2024年9月の本件訴訟が初めてだった。
当時、執行局長を務めていたガービル・S・グレワル(Gurbir S. Grewal)氏は、「詐欺師が個人的なつながりを悪用して資金を騙し取る手口が横行しており、個人投資家にとって深刻なリスクになっている」と警告した。
SECの投資家教育局は、投資を検討する際はSNSのチャット情報を鵜呑みにせず、必ず公的な登録確認サイトで相手の身元や業者の正当性を確かめるよう、強く注意を呼びかけている。
























